2009年9月21日月曜日

倉沢人形歌舞伎

「れきみん秋祭り2009」のプレイベントで倉沢人形歌舞伎の上演があったので、虫六子と見てきました。

倉沢人形歌舞伎は岩手県花巻市東和町倉沢地区に伝承される人形歌舞伎で、岩手県の指定無形文化財です。

創始は以外に新しく、現在の代表・菅野芳治さんのおじいさんの菅野常次郎氏で、明治27年とのこと。常次郎氏16才の頃だそうです。常次郎氏の本業は彫刻師だったそうですが、大正期は年に20〜30ヶ所に呼ばれて公演をしていたそうですから、なかなかの人気だったのでしょう。戦時中はさすがに上演は減ったものの、それでも年に10〜20ヶ所の依頼があったそうです。特に浄瑠璃や三味線の後継者問題などもあったようですが、戦時中に横浜から疎開していた方が偶然、娘義太夫として活躍していた「竹本津賀広師」という方で、その方が舞台出演と同時に後進の指導にもあたって、現在の会員に繋がっているようです。


今日の演目は、
1.三番叟
2.本朝廿四孝 十種香の場
3.傾城阿波の鳴門 巡礼歌の段
4.景色

歌舞伎おなじみの演目ながら、語りには花巻弁が混じった郷土芸能らしい素朴な人形芝居でした。去年までは、「マチゲキ」のエントリーで野外上演でしたが、こういう屋根あるホールで見る方がいいですね。やはり芸能はそれぞれの演じるべきフォーマットというのが大事だと思いました。座敷芸や舞台芸を野外舞台でやるのはやはり乱暴な部分がありますね。


「傾城阿波の鳴門」は義太夫が一人語りです。太棹を操りながら、意外に軽い調子で語ります。娘義太夫の往時に想像を膨らませました。

倉沢人形歌舞伎の本公演は、11月23日、地元・倉沢人形歌舞伎伝承館で開催されるそうです。

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