2013年12月31日火曜日

ラジオと年賀状

さて、次は年賀状です。
夕べのうちになんとか印刷を終了(追い込まれてもやることはやる虫六です。っていうか、私の役目なんで。今年のデザインはねぇ……ま、いいか)

虫六子が塾に出かけたので、すべての雑用をストップして宛名書きを開始。テレビでは「暦の上ではディセンバーこれで見おさめ!?じぇじぇじぇ!“あまちゃん祭り”」を放映中でありましたが、これ見ていると手が止まりますので、とりあえず「あまちゃん」は明日の“紅白”までお楽しみをとっておくことにして、今日のお供はラジオなのだ。


実は虫六はラジオ派。

最近のお気に入りは通勤途中のカーラジオで部分的に聞いている「すっぴん」(NHK第1 8:00~11:50 )。有働アナの盟友(?)藤井彩子アナがMCで、日替わりで松田悟志、津田大介、ダイアモンドユカイ、水道橋博士、高橋源一郎の各氏がパーソナリティーで登場しコーナーを担当するのですが、これがけっこう毎日面白い。すぐに職場についてしまうのでじっくり聞けないのが残念なのでした。缶詰博士や発酵王子のコーナーも面白いです。休みの日やなんかは「午後のまりやーじゅ」も聞いたり(こちらは黒崎政男先生と近田春夫のコーナーがお気に入り)しますが、今日は!なんと、その2番組が夢のコラボちう特番があったので、これを聞きながらペンを走らせました。

いつも黒崎先生がやっている「午後まり」の「クロサキマサオはテツガクの夢を見たか」のコーナーを今日は高橋源一郎先生が担当。「恋愛結婚を何度失敗してもだいじょうぶなわけ」とかなんとかいうお題目で何の噺かと思いきや、島尾敏雄の『死の棘』の文学講座が始まって…( ̄ロ ̄lll) 世の中の浮気性のお父さん達を晦日の寒空よりさらに凍えさせておりました。怖えーよ、ゲンイチロー先生。
なぎらさんのコメントがいちいち面白いし、松村邦洋もラジオで聞くと物真似うまいなーと関心しますね。山田まりあさんの笑い方は鬆が入っているなー(業界優等生なんだろうな)。

とかなんとかラジオの方はいいのだが、問題は年賀状だよ。

日頃なんとなくメールのやり取りしているお友達は良いとして、1年にこの賀状でしか消息を認め合わない親戚・知人に一言メッセージをひねり出すのが、なかなかの頭脳労働…。一言書いて(うーむ、これ去年も同じこと書いてないか?いや、ここ数年同じこと書いてないか???)と、あらぬ不安に襲われつつ…。相手は去年の年賀状見ながら書いてくるんだよね〜、「また同じこと書いてるな、進歩ねーなー」ってバレバレですかね…などと、なかなか筆が進まないのでした。

一方、家人T。「おー、今年は30日に書き終わるとは近年にない快挙だな〜」
(…って、あんたの書いている枚数、私の半分ですから!)




2013年12月29日日曜日

アルカリで指がボロボロ…

見ない振りしてやり過ごせればいいのですが、やはり大掃除のまね事くらいはせねばなるまい…。休みをいただいているのに年末年始にお仕事しているサービス業従事者のみなさんに申しわけないッス。
和室はくだんの事情で手が出せないので、とりあえず台所に着手しました。

先日の「あさイチ」のスーパー主婦さんがご紹介されていた絶対効果が期待できそうな“セスキ炭酸ソーダ”を速攻でア○○ンさんで発注してみたのですが、同じことを考えている人が多かったのか在庫が足りていない様子で未だ納品されず、もうひとつの秘技“プリン状石けん”でトライしてみたら、面白いように汚れが取れて、1年分の油汚れはほぼ落ちました( ̄ー+ ̄)
いつもお世話になります、「あさイチ」。


落ちるので面白がって夢中で掃除していたら、なにやら指が120歳のおばあちゃんみたいになってました。
ぎゃぎゃ、強力なアルカリ成分で皮膚が破壊されていた…。
手が小さいので、大きなゴム手袋とか作業しにくくて嫌いなんですよ。

で、「アルカリには酸でしょ!」
と思いつきまして、ティッシュに醸造酢などシミシミさせて拭いてみたら、なんとなく破壊が止まったような…ちょっとお酢臭いけどね。
(カンケーありませんが、我が家のお酢はちょいと高級ですが飯尾醸造の「富士酢」です。美味しいよ (*゚▽゚)v 気に入ってます。)
指はハンドクリームを塗ったら、あまり気にならなくなりました。意外に効果あったみたいです。


午後から年末の買い出しで商店街に出かけてみたら、まだ光のページェントやっているのかな、J禅寺通のケヤキが電飾つけられていました。昼間の電飾ケヤキは満身創痍の力士みたいで痛々しい。

年末の現実逃避…

何かとせわしない年の瀬ですね。しかし虫六は大掃除も年賀状作りもまだ手つかずです。
で、なにやってんのかとゆうとですね、歌舞伎の舞台写真整理…。


ぎょえ〜、何故いま?
それは、はじめてしまったから…爆。(^-^; 

歌舞伎芝居を見に行くたびに地味に買いためていた(いえ、正直にいいましょう。勢いにまかせて大人買いしたこともありました。)舞台写真が、それ用アルバム9冊に及んでしまったのです。しかし、いつどの舞台のやつかというのをメモもしないでただアルバムに突っ込んでいたので、これでは記録にならないと数年まえから気がついていたんですが、遡って整理するのがおっくうで棚上げにしていたのです。
しかし芝居通いが10年に達したということを自覚するにいたり(はい、まだ若輩ものです)、そろそろ整理せねば!と手をつけてしまったが最後…、写真と筋書きをどばっと広げたこの状況を何とかしないと他の仕事が出来ないのですが、1枚みてはいつの公演の何役だったか筋書きで確認し、裏に記入して、さらにその時の思い出に浸り…で、全然すすまないよ〜。(それにしても、自分がみた舞台ってちゃんと覚えているものですね〜)

ある意味、試験前に部屋の片付けをはじめる中学生のごとし…。

しかしですね、これってこの10年、お高いチケット代にそれとほぼ同額の足代をかけて小屋通いした(まぁ、ケースはいろいろあるんですが)、おのれのトチ狂った人生の証しでもあるわけで、自分が何にお金を使っていたかよーく分かりました。 ( ̄◆ ̄;) 貯まらんわけだ。

それにしても、この間の歌舞伎界の状況は勘三郎を中心にしてホントに面白かったんだよね…ということも、改めて実感。見逃してなかったことに後悔なしでございます。(それでも在京のファンの方に比べれば見逃したのもいっぱいあるんですが…)
勘三郎に関して言えば、「仮名手本忠臣蔵」の判官や俊寛、春興鏡獅子など、大事にしていた伝承すべき古典はもちろん伝わっていくのだろうと思うのですが、平成中村座、コクーン歌舞伎、新作歌舞伎、芝居小屋の復権…と中村屋が挑戦して沢山の人に指示された新しい歌舞伎のあり方も、別の誰かに引き継がれていってこそ古典になっていくわけで、彼に当てられて作られた作品や彼が核になって成り立っていたプロジェクトを、後進の世代はもっと面白い形でカバーしていけるのかな…と、できれば2代、3代…と繋げていってほしいなぁと、写真を見ながらいろいろ考えてしまいました。
いえ、中村屋はやるだろうけどね。うぅー、また芝居が見に行きたくなってきた。

あ、ちなみに虫六の舞台写真お買い上げナンバー1俳優は、仁左衛門です。
あしからず(*≧m≦*) 

あー、大掃除…。(やりたくないよ〜)



2013年12月24日火曜日

あまちゃん紅白誘致委員会_報告01

あまロス進行中の国民のみなさま、自称・あまちゃん紅白誘致委員会委員長の虫六です。
今日、NHKが暮れの紅白歌合戦にあまちゃんコーナーを設けることを正式に発表しましたネ。こちらも。
…フフフ、やっぱりね。出さないわけないよね…。

なになに…、
「コーナーでは天野アキや母親の天野春子、女優の鈴鹿ひろ美など、「あまちゃん」の出演者が役名のままで登場することになっています。
コーナーの脚本は、宮藤官九郎さんが書き下ろし、音楽を大友良英さんが担当して、天野アキが仲間といっしょに劇中歌の「暦の上ではディセンバー」を披露する予定です。」と。



どんな書きおろしか、クドカン。
大友さん、あまちゃんビッグバンド率いて生演奏してくれるんでしょうか?(なにやら、音楽チームはクリスマス返上でアレンジ変えているらし…期待だぞ!)
「暦の上ではディセンバー」もいいけど、国民がのぞんでいるのは、「潮騒のメモリー」ですから!NHKさん分かってますよね。
アキ&ユイ→春子さん→鈴鹿さんのメドレーでお願いします。

審査員は、夏ばっぱが内定とな…。
(クドカンと楽天・田中まぁ君も!…愛之助もか!)

大晦日は、「あまちゃん」再燃ですかね。個人的には、花巻さんのフレディ、カムバック!!


ゾロ目いただきました。

今日は振休で、午前中は冬休みの虫六子とウチにいたんですが、昼前にブログを立ち上げたら、な、な、なんと、ページビュー数がちょうどゾロ目「66,666」をカウントしてました。

サンタさんからのプレゼントか?ありがたいのう。

いつも拙ブログをご閲覧いただきありがとうございます。
次のゾロ目「77,777」目ざして、まったりしたり、黒くなったりして、がんばります。今後ともよろしくお願いします。


虫六子、なんたって18歳

きわめて個人情報ですが…クリスマスイヴ・イヴは、陛下のお誕生日でもありますが、虫六子の誕生日でもあります。陛下80歳、虫六子18歳。若っ!

で、めでたく進学が決まれば、もしかして家族で祝うことも今後何回あるかわからない…という誕生日を祝いました。

 本人のリクエストにより、手作りハンバーグ。(虫六子撮影)
いつもは翌日がクリスマスイヴで洋食になるので、誕生日はお寿司でしたが、最近苦し紛れの晩ごはんにデパ地下やエキナカの格安お寿司が登場する機会が増えて、「お寿司はもういい」とダメが出て、これに…。家人Tと本人がこねこね作りました。特大で形も歪でしたが美味しくできました。

で、付け合わせは温野菜サラダ。(虫六子撮影)
ジャガイモやカブや人参、アスパラ、スナップエンドウは火を通してあるんですが、キュウリやトマト、ゆで卵などレギュラーアイテムに隠されて普通のサラダに見えるじゃないか…。
今日は誕生日なので、メロゴールドと師匠にいただいた洋なしもはいってゴージャスな10品目。ドレッシングは姉弟子Cさんにいただいたお取り寄せゴマドレでした。すごい量ですが、虫六家ではこれ3人で食べます。他におかずはチーズくらいだし。

誕生ケーキは、某ホテルの3種のベリーとチョコの方形ケーキ。(虫六子撮影)
今日は半分食べて、明日に残しておくのだ。切るのが難しいけど。

この時期、どこのケーキ屋さんを探しても誕生ケーキは買えません(どこもクリスマスケーキ大量生産のため非常事態宣言発令中…ってことで)。虫六子が小さい時はクリスマスケーキを予約してろうそくを立てたり、スポンジ生地を買ってきてなんちゃって手作りケーキを作ったりしてましたが、最近は「おいしい」方を重視してデパートの予約ケーキをゲットするようになりました。今年はこれに…。
大人はこの板チョコが多かったが、デザイン重視ってことで。

このところ忘年会も含め飲み会続きで食傷気味なんですよね。今日は和食にしようかな…クリスマスイヴだけど(爆)


2013年12月22日日曜日

謎の蟹・海老が届いた…

一昨日クール便の不在票が入っていて荷物「カニ」ご依頼主が「豊築漁業協同組合」とあり、なんだ?それは…と、多少疑念に包まれつつ、昨日休みだった家人Tに受け取ってもらいました。

で、ウチに帰ると、発送人が誰か分からないまま蟹と海老が届いていて、これ食べてしまっていいのかぁああ?だったのですが、深く考えない食い意地の張った家人Tがすでに料理して今晩のおかずとして食卓に上っていました。


ぎょぎょ、美味そうな豊前本ガニとヨシエビなのだ!!
というわけで、食欲に負けて、しかも珍しいご馳走にそうとう盛り上がりつつ、パクパクいただいてしまったのでした。ぺろりと完食したあと、「しかし…毒が入ってたりして、明日の朝生きてるか?俺たち…」とか失敬なこと言いながら。

…やはり、誰が送ってくれたんだろう??

とかいいつつ、「そういえば、zatsugeiさんから東京野菜届いてませんでしたか?」と「送るね」メールをいただいていたことを思い出し、家人Tに確認すると「届いてませんが…」。「おっかしいなー」とメールを再チェックしたら…
「『東京野菜』の関わりから、生もの」を送ると書いてあり、うぉおお〜、送り主判明なり〜!何読んでるか、俺。てっきり野菜が届くと思い込んでいて、頭が回転しておりませんでしたよ (;;;´Д`)ゝ
で、お礼メールをしたら、やっぱりそうで、全てがスッキリ解明して、みんな安心して寝ることができました。

それにしても、おっちょこちょいな歳の暮れのプチ騒動でした。

zatsugeiさん、ごちそうさまでした!大変美味しくいただきました。やっぱり冬は蟹だね!

2013年12月19日木曜日

自主練モード

年の瀬ですね。先生の今年最後のお稽古も今週の月曜日に終了しまして、年明けのお弾き初めまで自主練モードとなりました。


とりあえず、この年越しに出された課題は最初の大薩摩。指がなかなか動かないので、ひとフレーズづつ練習していくように言われました。
うぬ、がんばるぞ〜。…先生、来年の虫六は違います。

しかし、年の瀬って忙しいんですよね…(いかん、いかん)

2013年12月18日水曜日

松竹大谷図書館から文庫カバーが届きました

松竹大谷図書館の司書をされている須貝さんが「歌舞伎や映画、大切な日本の文化を次世代に残す。」というプロジェクトで、クラウドファンディングサービスで呼びかけをして、寄付金を集めていたことを以前のブログでお伝えしましたが、無事に予定金額に達してプロジェクトが成立したということで、協力者にお礼の文庫カバーを送ってくださいました。


映画『男はつらいよ』(昭和44年7月12日完成試写)と歌舞伎『弁天娘女男白浪』(平成25年4月歌舞伎座)の台本が、文庫カバーになってます!

1通づつ手作業で袋詰めして送ってくださったようで、勿体なくて使えないッス。
(あぁ、歌舞伎台本の表紙ってレザックだったんだなー)ということだけ確認して、また袋に入れてしまいました(苦笑)

須貝さんありがとうございました。

2013年12月16日月曜日

師走の東銀座で「仮名手本忠臣蔵」_歌舞伎座十二月大歌舞伎

お友だちのガスパママさんの「十二月の歌舞伎座どおよ?一緒にいかない?」とのお誘いに、ダメ元でうちの受験生につぶやいてみたところ、「別にいーじゃん、行ってくれば!」とのあっけないOKが出まして、…ふふふっ、黒虫モードとなりました。そんなわけで、本所の吉良邸襲撃記念日(12月14日…正確にはその翌朝)の前日にあたる13日に、十二月大歌舞伎の『仮名手本忠臣蔵』を通しで観劇するため日帰りツアーを決行いたしました。

ガスパママさんと朝早い「はやぶさ」に乗って、やってきました東銀座。るんるん。師走と言えば『忠臣蔵』でしょう!歌舞伎なんだから、やっぱりやっぱり『仮名手本忠臣蔵』でしょう。

通し狂言 仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)

【昼の部】

 大 序 鶴ヶ岡社頭兜改めの場

 三段目 足利館門前進物の場

  同  松の間刃傷の場
 
塩冶判官   菊之助
桃井若狭之助 染五郎
足利直義   巳之助
顔世御前   七之助
高師直    海老蔵 ※三津五郎休演のため代役
 
 四段目 扇ヶ谷塩冶判官切腹の場

  同  表門城明渡しの場
 
大星由良之助 幸四郎
塩冶判官   菊之助
顔世御前   七之助
斧九太夫   錦 吾
薬師寺次郎左衛門 亀 蔵
原郷右衛門  友右衛門
石堂右馬之丞 染五郎   ほか

 浄瑠璃 道行旅路の花聟
 
腰元おかる 玉三郎
鷺坂伴内  権十郎
早野勘平  海老蔵


昼の部の眼目は、海老玉の「道行」というところでございましょうが、若手中心の「忠臣蔵」の通しということで、今後の歌舞伎会の行く末をこの年末興行で見据えておきたいということも含め期待に満ちた公演です。

「大序」からの始まりで、例の( ̄^ ̄)えっへん人形がでてきて長々と口上を述べますが、役者の名前を全部読み上げるので、拍手の沸き方で今日の客筋が分かります。やはり海老玉目当てのお客さんが多いご様子、また高麗屋、音羽屋…、そして七之助丈の時もわっと拍手が鳴りました。人気出て来たなー。
代役(三津五郎丈の完全復活を心より祈念しております!!)の海老蔵の高師直は、めったにみれない珍しい配役だけにちょっと楽しめました。セクハラにパワハラ…ちょっとコミックぽくなって、イヤ〜な人物像は薄れた感がありましたけども、奮闘してましたネ。染五郎の若狭之介の生意気っぷりは私的にグッジョブだったのですが、今回の演目では二段目をはじめ加古川本蔵に関わる筋(八・九段目)が省略されているので、伝わりにくいかもですね。

三段目の松の廊下、四段目の判官切腹は音羽屋型で菊之助ですが、折り目正しく丁寧に演じている感じが好感。涼しげなお殿様の気品がありました。命が絶えて前屈みに倒れると、ずらーと並んだグレートーンの裃姿の諸士を背景に、判官の死装束の白に、鬘の黒と濃いめの青い月代、そして腹切刀についた赤い血糊が映え、舞台の中心点となる構図の美しさに目が奪われました。後方中央のお席だったので余計に印象的に見えたのかもしれませんが、洗練された造形美を感じました。
しかし…んむむっ?あれ、菊之助さん太りました?結婚太り?貫禄ついちゃったな。女形大丈夫かな?

高師直は、大序と同じノリでなんだかコミック。(富十郎の師直は嫌みたらしくて、口跡も良くて良かったなー)と思い出されました。やっぱり難しいですね、この役は。

そして、七之助の顔世御前はきれいでしたし、未亡人となった女性の精気を消した演技は良かったと思います。数珠を持った指が繊細でほれぼれ。とてもリアル男性の指とは思えない!(思わずガスパママさんに双眼鏡を回した虫六です)

城明け渡しはリストラ決定でどう処理するかの全体会議。筋的に分かりやすく進行。それにしても、ここってお城と言うより江戸上屋敷なんだよね〜、この大広間はスケートリンクのように広いけども…。ま、いいか、歌舞伎だから。それから、大石力弥は夜の部の児太郎よりも、昼の部の右近の方が良かったです。

そして、前半のお待ちかね、海老玉の「道行旅路の花聟」…。
そのオーラ全開の絵になる舞台にうっとり。この演目だけで、分厚い写真集ができるんでないですか?と思うくらい、どこをとっても決まってるし、美しすぎる。
世話女房気取りの玉三郎のお軽が本当にかわゆく、初々しく、水もしたたる近習侍の海老蔵・勘平の色男ぷりが、完璧、か・ん・ぺ・き・です。手と手をとる所作が何度も出て来るんですが、これがまた艶めかし…。
こ、これは生写真を買わねばなるまいよ、とぜいぜい息を切らして3階ロビーに駆け込みましたが、なんと、まだ売り出し前でありませんでした。 ||Φ|(|゚|∀|゚|)|Φ|| この欲求不満をどこにぶつけろと…わ〜〜ん。


お昼は、松屋銀座店の地下でゲットした、ゆしま扇の観劇弁当を。笹の葉寿司もついて、これはあたりでしたね。ふたりで食べると美味しいね。

通しなので昼の部と夜の部の間に、歌舞伎座売店をひやかして、虫六子のお土産にスヌーピー&歌舞伎座コラボグッズを購入。場内店限定なので若干奮発していろいろ買ってしまいました。気のせいか幕間時間が短い感じだったので、ここでお土産なども先に買うことにして、紙袋を抱えて、夜の部の席に。


な、な、なんと、花道から3・4列目の一番前なのだ!あわわ。役者のみなさん至近距離ですよ…。

【夜の部】

 五段目 山崎街道鉄砲渡しの場
     
  同  二つ玉の場
 
 六段目 与市兵衛内勘平腹切の場
  
早野勘平   染五郎
斧定九郎   獅 童
女房おかる  七之助
母おかや   吉 弥
判人源六   亀 蔵
千崎弥五郎  高麗蔵
一文字屋お才 萬次郎
不破数右衛門 彌十郎


 七段目 祇園一力茶屋の場
 
大星由良之助 幸四郎
寺岡平右衛門 海老蔵
竹森喜多八  松 也
富森助右衛門 廣太郎
大星力弥   児太郎
斧九太夫   錦 吾
赤垣源蔵   亀三郎
遊女おかる  玉三郎

 十一段目 高家表門討入りの場

    同 奥庭泉水の場
    
    同 炭部屋本懐の場
 
大星由良之助 幸四郎
原郷右衛門  友右衛門
奥田定右衛門 宗之助
矢間重太郎  竹 松
富森助右衛門 廣太郎
大星力弥   児太郎
竹森喜多八  松 也
小林平八郎  獅 童

五段目は定九郎が獅堂でした。「ごじゅうりょう」もいまいちドスが利いてない感じで、前の脇から観たせいか、鉄砲で撃たれて口からこぼれた血糊で足が染まるところもよく見えず、なんとなく間がしゃんとしていない感じでした。もっとたっぷりやっていいけどね。ニンの役とは思いますので、ぜひはまり役にしてください。

染高麗の早野勘平は、デフレ・スパイラルのようにツキが離れて行く男の憐れが哀しかった。かわいそすぎでしょ。四段目の判官も切腹のあと(死んだ役なので)身動きしないでうずくまって居なくてはならないのがとても辛いそうなのですが、勘平も「もしかしたら自分が舅を殺したかもしれない」と自分を苛み、おかやに責め立てられる間も顔が上げられなくなって堪える場面は、役に入り込めばなおさら、その精神状態で切腹まで持って行かなければならず、そうとうしんどい役なのでは…と思いました。断末魔に疑いが晴れて連判状に血判を押せたのは救いですが、いずれ、この人たちみんな死んじゃいますから。勘平ここで死んでも「先に地獄で待ってるぜ」なんですよね…。なぜ簡単に命を無駄にするのか、江戸の人。そんなわけで(?)、みんなが海老蔵を観に来ていても、私は染五郎の勘平には1票です。(来年はセブンと「桜姫東文章」をよろしくお願いします。)

七之助のお軽も可愛く、何も知らずに駕籠で運ばれていくのがまた憐れ。
萬次郎丈の一文字屋お才は好き!良い存在感…満点ですね。

七段目の祇園一力茶屋の場。やっぱり凄いね玉三郎は…(ため息)。前段があるのですが、登場したとたんに舞台の緊張感が変わります。大石とじゃらつく場面、平右衛門と兄妹の甘えたような関係を垣間見せる場面、どうしてこんなに可愛らしく演じられるんだろう。胸がきゅんとしちゃったよぅ。役者の容姿の美しさということではない本質的な可愛さを感じて、うわ〜玉三郎って60歳過ぎたんだよね…と、やや不敬なことまで考えてしまうくらい凄い演技だった。これが歌舞伎の面白さなんだろうな。
相手役は海老蔵の寺岡平右衛門ですが、そうとう頑張っていたと思うし、舞台オーラもあるし、演技が悪くもなかったけれど、玉三郎の役者が3枚も4枚も上で、それに助けられていたという感は否めない感じでした。でも頑張ってほしいです。
幸四郎の大石も良かった。聞いてはいましたが、この役ははまり役ですね。人物の大きさと色街での遊び慣れた粋な感じが凄く自然に滲み出ていて、上手だなと思いました。

鴇色の内壁で囲われた遊郭の風景、歌舞伎が残っているいるからこそ、伝わっている風俗風景なんでしょうね。

討ち入りのチャンバラは、竹森喜多八の松也と小林平八郎が獅童。
役者よりも目を奪われたのは、新歌舞伎座の雪を降らせる装置…!コンピュータ制御と観ますが、必要な場面に必要な量の紙吹雪を降らせて、場面終了で、ぴた!と停めてました。恐るべし歌舞伎座。

それにしても、絶好のお席のせいもあるけれど、特に夜の部は満足度の高い舞台で、1年の〆に相応しい芝居納めとなりました。



せっかくだから場内の食事処で食べて見ようということになり、ネットで予約しようと思ったら1週間前ですでに受付終了していて、さすがに即日完売の公演だよとびびりましたが、当日申し込みで受け付けていただけまして、花篭の幕の内弁当(2100円)にありつくことができました。すみません、食堂内の写真を撮り忘れてしまいました。
ゆっくり食べていたら、あっというまに30分の休憩が終わって、慌てて暗くなりかけた客席に戻るということにもなりました。
やっぱり、舞台のバックヤードや装置関係が最新になって場面転換の時間が短縮されているのかな?どうも休憩時間が慌ただしく思えるのですが…。

夜の部の最後の休憩に、「ここは鯛焼きは外せないよね」とふただび3階に登っていくと、すでに鯛焼きは売り切れで…、かつ、今日はなかった生写真コーナーがセットされているのを発見!!!!!!!うわ、明日から売り出しですか〜〜〜〜〜〜!!!!残念すぎる…。ダブル・ギャフンでありました。

いつもはけっこう前の方で観ることが多くて客席全体をあまり気にしませんでしたが、昼の回は前から15列目の中央通路沿いだったので、お客さんの出入りが見えるのでした。そこで気になったのは、歌舞伎のお客さん高齢化が夥しくないですか?ってこと。ガスパママさんと「私ら全然若い方だね」とちょっと戸惑いました。
確かにこの真冬にノースリーブのドレスを召したセレブちっくなご婦人なんかも若干いらっしゃったのですが、7・8割は60代〜90代って感じですね。空席あるなと思っていたら、杖をついて時速500mくらいで歩く老婦人や車イスのお年寄りが暗い場内を係の人に介添えされて入ってきたり、30分休憩のお弁当食べたあとで病院で処方されたクスリ(しかも大量)を飲んでいる方…、(ここは病院の待合室ですか…?)という感じでした。
もちろん、最新のバリアフリー構造の建物でその辺りは松竹さんも抜かりないのだろうと思うし、「歌舞伎って年をとっても楽しめる娯楽だな−」と脳天気に思うこともできるのですが、これでいいのですか?本当に?!
歌舞伎座一極集中のご馳走天こ盛り興行で、さよなら公演以来のインフレ価格チケットも見直されないまま、余裕のあるお年寄りだけが楽しめる娯楽となってしまって、歌舞伎の未来は本当にあるのかな?若手の役者がいろいろチャレンジしても、この仕組みの中ではやっぱり客層の拡大は図れないよね。松竹さんがちゃんと考えないと…と。
勘三郎丈の遺作のシネマ歌舞伎やDVDで儲けるのもけっこうだけど、彼が歌舞伎の将来のためにやろうとしていた遺志を歌舞伎界全体で引き継げるように、根本的に取り組んで欲しいものです。

なんてことも思いつつ、今年の観劇納めとなりました。今年1年の素晴らしいお芝居に感謝。来年も楽しく芝居見物できますように!歌舞伎の神様よろしくお願いします。
仁左衛門丈、三津五郎丈、福助丈が元気になって、一日も早く舞台に戻って来ることをお祈りしつつ…。

2013年12月11日水曜日

シネマ歌舞伎「春興鏡獅子」

11月30日から公開になっていてずっと気になりつつも行けなかったシネマ歌舞伎『春興鏡獅子』。もちろん十八代目中村勘三郎丈が踊った映像であります。
ずいぶん久しぶりで休みがもらえて、満を持して映画館にいきました。


1週目は朝夕の2回上映だったのですが、今週は昼に1回にかわってしまい、何を勘違いしてたのか、11時10分開始を11時30分と間違えていて、朝十分に時間があったにも関わらず、着いたら始まっていることが分かり、が======ん。il||li _| ̄|○ il||li

…やっちまいました。

前半20分は、勘三郎のドキュメンタリー映像がついているらしいのですが、虫六が恐る恐る真っ暗な劇場に入ると、まさに今、『春興鏡獅子』の本編が始まったところでした!

映像は、平成21年1月の歌舞伎座閉場さよなら公演の第1弾として夜の部で上演された演目です。(この公演、虫六は虫六子にも見せようと2人で最前列で見ていたのだった…遠い目)

  小姓弥生 後に 獅子の精 中村 勘三郎
  胡蝶の精       片岡 千之助
  胡蝶の精       中村 玉太郎
  局 吉野       中村 歌 江
  老女飛鳥井      中村 吉之丞
  用人 関口十太夫     市川 高麗蔵
  家老 渋井五左衛門    大谷 友右衛門

大好きだった勘三郎の鏡獅子。一期一会の劇場でしか味わえないあの空気感は、もう勘三郎なき今となっては望めないものとなってしまったのですが、シネマ歌舞伎の鮮明な映像で見ると、自分の中に埋もれていた記憶もどこからか引き出されて、あのときと同じドーパミンが溢れ出てきます。紛れもなく私がこの演目に夢中になったのは勘三郎の踊りを見たからに間違いなく、彼によってその魅力を教えていただいたのです。
改めて思うけれど、凄まじくすばらしかったのですよ、彼の鏡獅子は!
あー、もう2回、本当に見たかったよ。なんでもう見れないんだ〜!!

この時の胡蝶は、千之助(松嶋屋/仁左衛門の孫)と玉太郎(加賀屋/東蔵の孫)で、小さい御曹司がかわいかった。特に千之助の天才ぶりに驚嘆したのでしたが、今見てもすばらしい。この後、仁左衛門との『連獅子』につながっていく貴重な経験をこの舞台でしたんじゃないかな。

生の舞台ですと、もう踊り手に目が奪われて見落としがちな地方の構成も、映画で見たら意外な発見がありました。
この時の地方は、尚之・勝国の七枚七挺に、田中田左衛門社中のお囃子だったのですが、弥生が踊る場面と、獅子の場面で地方の構成が変わっていました。前半出ていた勝十朗さんが後半は清治郎さん(現・勝三郎)になってました。こういうこともあるんだね。
しかも、胡蝶が引っ込んだあとの聞かせどころで、勝国さんがドアップになり、三味線の指使いが克明に映って、個人的にはあわわってくらい感動しました。(あそこまで指を曲げるのか…オペラグラスでもなかなかあそこまでは見えません)
お囃子の乱序の緊張の場面で、ギリギリと鼓の紐を引き締める音がマイクに入っていたのも発見でした。

現場ではイメージや空気感で感じとるものを、顕微鏡で見るような、全覚醒的な見え方が経験できて、シネマ歌舞伎は面白いのだ。

それにしても、最初の20分が見れなかったのはドジりましたが、このところの1周忌にあわせてたくさんの勘三郎の番組が放送されているのを見たりもするのですが…、あまりにもジャストなタイミングで本編が始まった今日の偶然が、芝居の神様はこの踊りこそ脳に(というか胸に)焼き付けておけと、私におっしゃっているのかな…と思えたのです。


2013年12月8日日曜日

その名も「清酒・金比羅大芝居」を飲む会

7日は、本当は某学会で○コトラ先生による、日本で初めて本建築の劇場が誕生したいきさつと、それが歌舞伎に及ぼした影響についての発表があり、ぜひ聞きに行きたかったのですが、凌ぎのお仕事が忙しくて身動き取れず、大事な機会を逃してしまいました。とほほ…田舎ものはツライよ。

そんなわけで(ってわけでもないか)、虫六を芝居小屋見物というワールドに誘ってくださった○コトラ先生に敬意を表しつつ、我が家秘蔵の「清酒・金比羅大芝居」を開封してみようと、1本持ってガスパ家に飲みに行きました。


琴平の地元でもなかなか手に入らないという丸尾本店の「悦 凱陣」。今年の春に、真っ黒ツアーで金丸座の猿之助襲名公演を観にいったおりに、注文して購入したスペシャルなお酒でした。
2本注文して「興」の方はすぐに手をつけたのですが、こちらは高級だったせいもあり、なかなか開封するのがもったいなくて、半年以上も秘蔵していました。へへへ。
で、家だけで飲んでしまうのももったいないということで…(っていうか、ただの押しかけ飲み会です)

で、で、で、想像を超える旨い酒でした!
文句のつけようのない完璧な日本酒でございました。
淡麗とも違う、辛口って感じでもないけれど、クセはない。さらっとしている上品な飲み口なのですが、旨みを感じるしっかりした味で。肴とあわせると、また味わいが変化して、とても面白いお酒でした。(酒に関するボキャブラリーが少なくてすみません)

このところ、日本酒に苦手感が出て敬遠がちだったというガスパママさんも「これはイケる」と左手が動きまして、めでたく日本酒復帰が果たせそうだと喜んでいましたよ。


ガスパパ親方の本日のお品書きは、全てがこの日本酒に標準を合わせた和食。「トロマグロの刺身」「グレープフルーツのグリーンサラダ」「大根千切りの葱油がけ」「きんぴら牛蒡」「カブときゅうりの漬け物」「ぶり大根」「鳥の唐揚げ」「牡蠣フライ」「かぐや姫(←お米のブランド)のご飯」。
うまかった〜(遠い目)。いや〜、いつも申し訳ない。ご馳走になりました。

ややや、そんなわけで、また来年も琴平詣をさせていただきつつ、このお酒を買ってこなければなりませんね…と、ひとりつぶやくバイヤー虫六でございました。


追伸
翌日もさらに休日出勤で早起きでしたが、とりあえず二日酔いが残ってなくて、胸をなでおろした虫六です。ちょっと心配していたんだよ〜。

2013年12月2日月曜日

11月に読んだ本

2013年11月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1202ページ
ナイス数:47ナイス

大奥 10 (ジェッツコミックス)大奥 10 (ジェッツコミックス)感想
男女が逆転してとても面白くなった大奥世界ですが、ここにきて、男女の恋愛劇ではなく、その世界逆転の原因となった「赤面疱瘡」の治療解明に挑む社会劇に。何やら、病気が退治されて世界が戻りそうな気配だけど、それを命がけで、秘された大奥の中で解明した青沼が、政治の道具になって処刑されるのは、物語といえ辛いなぁ。それと、源内さんの死因がそれとはやりきれないです。
読了日:11月22日 著者:よしながふみ


私が語りはじめた彼は (新潮文庫)私が語りはじめた彼は (新潮文庫)感想
この作品はデビューから4作品目らしいのですが、なんか凄い完成度です。メジャーになってからのちょっとライトなテイストはあまり感じられないけれど、人の、自分ではコントロールしきれない業のようなものを描きたかったのかな。女を寄せ付けずにいられない浮気性の歴史学者に翻弄される周辺の人々の内省的な葛藤と狂ってしまった人生…。怖い状況に置かれた人ばかりで、笑えるエピソードはなかったけど、三浦しおんってこういう作家だったのかと認識を新たにしました。
読了日:11月17日 著者:三浦しをん

Sunny 4 (IKKI COMIX)Sunny 4 (IKKI COMIX)感想
絵師・松本大洋にノックアウト。表紙から中表紙のカラーの絵がうますぎてまいりました。今回も親(大人)の弱さ・未熟さと子どもの必死のけなげさが胸に突き刺さります。子どもを園に預けて、男ができると化粧が濃くなる母親とか、所持金30円でヒッチハイクでふらっと現れる春男の父親はピンクのズボンはいてる自由人。母親再婚で「家の子」になるはずだったきいちゃんの新しいお父ちゃんはデバガメで園に帰って来ちゃったし。傷ついて、また強くなるんだな、子供たち。情けないけど、あの親たちを笑えないっていうか、なんていうか…。
読了日:11月14日 著者:松本大洋

ちいさこべ (新潮文庫)ちいさこべ (新潮文庫)感想
まんがの続きが気になるという不埒な心得で読んでしまいましたが、原作を逸脱しないで面白く現代に移し替えているなと感心しました。やっぱり原作はぐっとくる話で読んでしまってもったいなかったかと少し後悔。あの鳥瞰構図のかわった表紙もこの文庫のカバー装画(横田美砂緒)のトリビュートだったのね。収録作で「ちくしょう谷」が異色で面白し。およそ人間らしい理性生活を取り上げられた流人村で村民の解放を目指し、一方で兄を奸計にはめ不名誉な死に追いやった男を赦そうとする主人公。難しいテーマですがそうとう意欲作だと感じました。
読了日:11月6日 著者:山本周五郎

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