2015年6月26日金曜日

福島市広瀬座で檜枝岐歌舞伎を見る

福島DC関連の企画らしいのですが、福島市内にある民家園という移築建造物保存施設群の一画にある「旧広瀬座」(明治20年建造の芝居小屋)で、「檜枝岐歌舞伎」を上演するというので行ってきました。

とにかく土地だけは広いぞ—って感じの運動公園の奥に民家園という区画があり、そこに至る道に、ずら〜と幟が立てられていました。うぉー。(←意味なくテンションが上がってる)

旧・広瀬座です。国の重要文化財です。
普段は施設見学のみで、日常的に芝居がかかるということはないみたいです。

うお、こじんまりしているが良い感じの芝居小屋ですよ。
脇の2階席は今回使用していませんでした。
出し物は、檜枝岐歌舞伎(県重要無形民俗文化財)の「義経千本桜」から「鳥居前の場」。

人口600人の檜枝岐村に270年も昔から伝わる村芝居です。ホームは檜枝岐村の舞台ですが、今回は出張公演。虫六はそれこそ20ン年も前に取材でお邪魔したことがありましたが(…遠い目)、そのとき拝見した村の定期公演はご祝儀飛びまくりでエキサイティングでした。松竹大芝居のような華やかさこそありませんが、気心知れた同志の役者さん達も見ている観客もアットホームで独特の和やかな雰囲気が良い感じです。

今回、ビックリしたのは、義太夫さんが弾き語りでやられていて(床に一人しかおらんのよ〜)、この人がすごく上手い!ここだけプロを雇ったのか??と思いましたが、いただいた新聞『板木』(2015年6月20・21日号外)によると、「南会津町に住む室井一仁さん(27)」だそうで、「昭和26年に亡くなった以前の義太夫に替わり、若き担い手が誕生した」…とのことで、期待の星でありましたかー。
(なんでもいいけど、「昭和26年」は「平成26年」じゃないのかな?ブランクあり過ぎて、継いだことにならないような気がするぞ??)

民家園は、芝居小屋だけじゃなく伝統的建造物がたくさん移築保存されています。
こちらは旧小野家。木造・半切妻造で中二階建構造、茅葺屋根で、養蚕農家のでっかいお家です。養蚕の民具がいっぱい残されていました。

元客自軒(旧紅葉館)では、立派な盆栽の展示会が…。
実生100年にもなる吾妻五葉松とか、なかなか見応えありました。

東棟ではこけしグッズとか売ってました。
迫力の張り子のこけし。

予想以上に堪能できて充実した休日になりました。

2 件のコメント:

  1. 室井 一仁2015年6月29日 22:49

    初めまして。突然ながら失礼を致します。その浄瑠璃を演奏しました、竹本の室井です。南会津町の職員を本業としております。

    当日に舞台をご覧いただいたとの事、有難うございます。あまりに勿体ないご感想をいただきまして、未熟な浄瑠璃を演奏した立場としましては甚だ恐縮に存じております...

    私こと、もともと地元の田島にあります子供歌舞伎の役者を始めたのがきっかけで、その翌年、中学1年の時に義太夫の太夫として初舞台を踏みました。高校2年で弾き語りに転向し、4年前の平成23年に、檜枝岐歌舞伎の星長一座長さんから「ずっとテープの義太夫で上演されてきた。生で演奏をしてほしい」とのお声をいただき、花駒座の竹本となり、こんにちに至っております。

    当時、「60年振りの生義太夫復活」と取り上げられ、270余年の伝統と言われる檜枝岐歌舞伎とご一緒する事は大変な重圧でしたが、ただ今ではその重圧を「楽しみ」として舞台に臨んでおります。

    次は是非とも、檜枝岐村の「舞殿」の舞台をご覧ください。またひと味違った雰囲気があり大変結構です。その時までに、今回以上の浄瑠璃をお聞かせできるよう精進を重ねて参ります。

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  2. >室井一仁さん

    これはこれは、ご本人からコメントをいただき、恐縮でございます。
    いろいろ生意気を書いて失礼しております(汗)

    でも、お世辞でもなんでもなく、室井さんの竹本はとても良かったです。
    虫六は、実は最前列の竹本の膝下で演奏を拝聴しておりました。
    「お一人で弾き語り?」というのも驚きましたが、お声もとても通られ堂々としていらっしゃいましたし、歌いながらのバチ捌きもお見事でした。舞台がとても締まりました!

    最近は、踊りの会などでもテープを使うのが当たり前になっていて、生演奏は少しハードルが高いみたいですが、お芝居も踊りも人がやるものだから、やっぱり演奏も生のほうがいいです。雲泥です。室井さんの登場で、星座長さんの宿願がかなって良かったですね。(本当に昭和26年以来の義太夫復活だったのですねー!これまた失礼しました。)

    お芝居を覚えるも大変ですが、竹本は毎日の鍛錬が欠かせないので一人に重圧がかかるのは大変でしょうけれど、まだお若いし、もっともっと上手になりますね。とても愉しみです。

    そして、檜枝岐村の「舞殿」公演!
    (1度だけみたことがあります。たしかに、あの時も竹本さんはいなかったです)
    …行かねばなりませんね。目的ができました。きっと室井さんの竹本を聴きにまいります。

    まずはその日まで!

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