2016年8月8日月曜日

7月に読んだ本

2016年7月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:1405ページ
ナイス数:19ナイス

花散る里花散る里感想
20年以上前に書かれた作品の再刊とのことですが、古びた感じがありませんでした。舞台は室町時代で、現世に生をもつものと、そうでないものが交わっていて、この世界感は好物です。女力士のエピソードが好き。また、女性の身体を描く線は鳥居清長の春画のように柔らかで美しく、かつ、妖しい。
読了日:7月28日 著者:近藤ようこ



恋スル古事記恋スル古事記感想
ちょっとロマンチックな古事記の入門編。よく知られた物語ばかりだったので、するするっと読めました。もっと昔に描かれたのかと思ったら意外に新しかった(2012年)。古事記の漫画編といえば、こうの史代さんも描いてますが、だいぶ違う作風なので、比べて読むのも面白いかもしれません。
読了日:7月20日 著者:近藤ようこ




五色の舟 (ビームコミックス)五色の舟 (ビームコミックス)感想
脱疽で膝下を切断した女形といえば…三世澤村田之助…ですか…と勝手にイメージかぶせて、心が掴まれました。すい寄せられるように雪之助の元に現れる特別な身体の子、家族のような見世物一座。時空の座標点という「くだん」なる不思議な生き物。SFでもあり、幻想譚でもあり何ともいえない世界感です。原作も気になります。
読了日:7月18日 著者:近藤ようこ,津原泰水


美しの首 (ビームコミックス)美しの首 (ビームコミックス)感想
中世のおどろおどろしい話も、近藤先生のあっさりした線描で表現されると後味悪くないと言うか、まさに夢物語りのよう。猿まわし、歌舞伎もの、説話…テーマはストライク。20年ぶりの新装版…ありがとうございました。「玉鬘」、朝の日の光で見る光源氏が醜く老いた男だったというのがシニカルに響きました。
読了日:7月15日 著者:近藤ようこ



フイチン再見! 7 (ビッグコミックス)フイチン再見! 7 (ビッグコミックス)感想
若き手塚治虫さんが登場してきました。上田さんも漫画界の旗手として、悪書追放運動の矢面に立っていたんですね。しかし、ああいう市民運動って戦時中の国民清心総動員運動の「パーマネント禁止!」ってやっていたおばちゃんと同じですね。上田さんはいつもそういうものに立ち向かっている気がする。そして強い女性はダメンズに弱いのであったー。(健さんをダメンズと決めつけて良いのかどうかはわかりませんが…。)そして漫画界はストーリー漫画の時代へ。何を書くべきか逡巡する上田さん、今度は自分自身の漫画に真剣に立ち向かうのか?!
読了日:7月14日 著者:村上もとか

花いくさ花いくさ感想
六角堂を仕切る花僧・池坊専好が文禄3年に前田利家邸に秀吉を迎える「御成飾り」の為に幅4間の床の間に立てた松の巨大な砂之物「立花」は、親友・利休を切腹に追い込んだ秀吉への敵討ちだった。着想の面白さは抜群!権力を手にした秀吉の狂気と美の追究者の崇高な抵抗。安土桃山時代は茶道が大成していく時代でもあったけれど、華道も同じだったんですね。さすがにクライマックスの前田家の場面はう〜んと胸がすきました…が、そこに至るまでの話はやや平坦。人物像にも物足りなさがあったかな。萬斎さんなの?ちょっとイメージ違うかな…。
読了日:7月10日 著者:鬼塚忠

日の鳥 2日の鳥 2感想
発売日に即買いしたのに、読了まで少し時間がかかりました。自分の故郷の地名があったこともあって。そうですか、百尺観音にも…、私も小学校の遠足でいきました。ぜひにおかみさんといっしょに埋もれた足を引っ張りだしてやってください。東海村での取材が2巻最後で、特別書き下ろし「小さな世界」に続くところがすごい。原子力科学館にちょっと興味を持ちました。それから、駅や線路の描写が割合多いところも個人的にはむふふ。
読了日:7月3日 著者:こうの史代

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