2018年9月18日火曜日

松と球根

2年ほど前でしょうか、我が家のベランダのプランターに、どこからか松ぼっくりのタネが飛んできたらしく、それが芽を出したのです。

なんじゃこりゃ?松だぁー!と、なんだかありがたい気分で、そのまま放って置いたら、

松ってけっこう丈夫なものらしく、特に世話もしないのにニョキニョキ伸び出してきたのです。

夏ともなれば、1年ポッキリで伸びて枯れてしまったり、地を這うように枝や根を伸ばすハーブたちに混じって、慎ましく枝をまっすぐに伸ばしている姿をみて、「なんだか小学校の教室みたいだなー、個性色々で…」などと面白がっていたのでしたが…

今年の夏、急に父が逝ってしまい、自分が建てたお墓に隠れてしまったので、また、(神道なもんで)お墓には榊だけでいいというのが父の信条でお花も上げられないので、思い立って、寂しくないようにと我が家の松の木を50日祭の日にお墓の脇に移植してきました。
そのとき、植えようと土を掘ったら、よく分からない球根がぽろぽろとたくさん出て来まして、「なんだ、なんだ、物々交換か?」と、これも父がくれたのかな?とか、いささかセンチメンタルな気分にもなり、家に持ち帰って、松を引っこ抜いた穴に植えておいたのですが…。

なんと!昨日水やりにベランダにでたら、急にこんな芽というか枝がにょっきり生えているではありませんか!!
3日くらい前は気がつきませんでしたぞ…(このところ雨模様だったので水やりを控えていたのです)。

びっくりした…。

たぶんあの花ではないか…と思っているのですが、答えは2、3日後に。

それにしても、あの松は元気で大きくなっているかな?誰かに引っこ抜かれてないといいなぁ。
ヾ(;´Д`A 


2018年9月5日水曜日

このところ読んでいた本

歌謡曲から「昭和」を読む (NHK出版新書)感想
歌謡曲を通してみる文化論。「昭和」の時代に最前線でヒット曲を飛ばしてきたなかにし礼さん。その見識の深さは、自らが闘って来た相手を分析する目なのかもしれない。軍歌と流行歌のことを説得力をもって語れる数少ない書き手だと思う。今のヒット曲の作家達が時流にながされてマインドコントロールの先鋒を担ぐことがありませんように。
読了日:08月30日 著者:なかにし 礼



愛されすぎたぬいぐるみたち感想
愛されすぎて「ライナスの毛布」みたいにボロっちくなっても、まだ大切にされているぬいぐるみの写真集。それぞれのエピソードもいろいろ。持ち主が変わったりして100歳を越えるぬいぐるみもある。「キリンのゲリー」君にいたっては、どこかのお堂の秘仏みたいだった。愛くるしさやふわふわを通りこして、ぬいぐるみの中に魂を育てていくんでしょうね。
読了日:08月25日 著者:マーク・ニクソン



人形有情―吉田玉男文楽芸談聞き書き感想
何かの事情でガチの取材が出来なかったのかもしれないけれど、玉男さんの言葉を拾い集めてでも残したいという宮辻さんの執念が伝わってくる。そして、玉男さんの芸を映像でしか拝見できない後発のファンとしては有り難い。「ぼくは半兵衛(人形の役)の気持ちにはなってませんなあ。半兵衛の気持ちを表そうとしていますけど。」という珠玉の言葉を引きだした時「えー、ふふふ(と恥ずかしそうに笑い)」と入るのは、お二人の距離感が感じられてなんだかいい。イケイケの取材でもなく、俺の話を聞けでも無く、逆に玉男さんの人となりが伝わって来る。
読了日:08月30日 著者:吉田 玉男,宮辻 政夫


頭巾かぶって五十年―文楽に生きて感想
蓑助さんの27年前の芸談。桐竹紋十郎の芸談(安鶴さん著)の続きの勢いで読了。昭和8年人形遣いの家に生まれ、物心つく頃から楽屋に出入りして足遣いに。昭和文楽界の様相や人情が伝わってきて舞台からは見えない部分の描写に引き込まれた。文楽が2つに分断されたのは労働運動だったというのも改めて認識。その時代に組合側だった三和会が上演場所を求め、地方の学校などを会場に旅興行を続けたのが昭和38年まで15年にも及んだそうだが、今の地方公演や学校公演の基盤になったのかな。息子を残して父が組合を抜けるくだりはやるせなかった。
読了日:06月09日 著者:吉田 蓑助


生きるとか死ぬとか父親とかの感想
 ホントは読み途中の本があったのだけど、新刊が届いたので週末の上京の道連れに。往復の新幹線で読んじゃった。魅力的なお父さんと読めるのはスーさんの大人度がなせる技もありなんでしょうね。親の老い、生と死…避けがたく、互いに剥き出しになる現実。他人事じゃないのよ。…それと、スーさんの活躍(稼ぐという意味で)の原動力がお父さんというところは、なかにし礼さんを思い出した、なぜか。
読了日:05月22日 著者:ジェーン・スー



フクシマ・抵抗者たちの近現代史: 平田良衛・岩本忠夫・半谷清寿・鈴木安蔵の感想
 ある日、南相馬市に住む高校時代の恩師(84才)から突然手紙が届いた。偶然図書館でこの本を読んだと、心に思うことが吐露されていた。貧しい土地の歴史、貧しい社会を変えるために人生をかけた先達のこと、そして原発のゆくえについて。すぐに買って読んでみた。自分の故郷にこんな偉人たちがいたなんて知らないことばかりだった。何を教育されてきたのだろう。日本国憲法の実質的な起草者として知られる鈴木安藏の生家は南相馬市小高区で、いまは居住制限の区域内にある。基本的人権が、戦争放棄が、蹂躙されている現状を象徴する出来事だ。
読了日:05月7日 著者:柴田 哲雄


文楽 芸と人の感想
批評というより文楽への愛情がほとばしる著書。古靭太夫(山城少掾)の芸談も、二世桐竹紋十郎の芸談も、間の良い魅力的な文体で快読させていただいた。悔しいのは、名人たちの生の舞台がみられなかったこと。人気絶頂の紋十郎の華やかな芸が、以前、安鶴さんは鳥肌が立つほど嫌いで酷評を書きつづけていたそうだが、ある時から、一転して大好きになったという話が心に残った。文楽が二つに分断された時代の苦しさ、それを乗り越えて紋十郎が掴んだ芸の真髄、さらに苦楽を団結して成長したその弟子たちを見つめる批評家の眼が厳しく、また優しい。
読了日:04月22日 著者:安藤鶴夫

読書メーターより

2018年8月28日火曜日

お稽古再開

はぁ、5月の、慙愧丸P観桜会のあとから、「いろいろ」と一口では括れない出来事が動かしがたくあり、結局6月〜8月とほとんどお三味線どころでない状況になってしまいまして、お稽古をお休みにしていただいておりましたが、本日よりお稽古を再開いたしました。


もう、手もぼろぼろかなと思って、恐る恐る師匠の前に座りましたが、けっこう身体が覚えていてとりあえず最後まで弾けまして、師匠も意外そうにしてました(苦笑)
譜はみたけれども(;゚∇゚)

しかし、本番は10月13日(土)。あっという間だね。
大丈夫なんだろうか…。すでに身心くたくたなんですが。

ところで、今年の忠美恵会の会場は、なんと、宮城県知事公館であります!


長唄にはそれほど興味ないという方でも、この建物にはいちど入ってみたかった…という方いませんか。ご用とお急ぎでない方はぜひ演奏会を聞きにきてくださいませ。
虫六までご一報いただければご案内差し上げます!

こんなステキな会場で恥ずかしい演奏をして、悲しい思いをしたくないので、
これから猛練習ってことで。


冒頭に申し上げました私事に関わる「いろいろ」につきましては、心の整理がついた順にぼちぼち書くかもしれませんが、書かずに終わるかもしれません。

2018年5月3日木曜日

慙愧丸プロジェクト観桜(葉)会2018

ご無沙汰しております。虫六でございます。
「ブログは筋トレだ!」とかエラそうなことを抜かしていたにも関わらず、もう“ことば筋肉”もショボショボの体たらく…情けない今日この頃…。3ヶ月ごとにやってくる激務マンスリー(休日なし&深夜残業)が尾を引いて、免疫力激落ちの昨今でございます(ああ、去年の今頃は帯状疱疹だったわい)…が、元気の出るイベントがありました!

それは!毎年恒例の、『慙愧丸プロジェクト観桜会2018』でございます。

まあね、今年は桜も花は期待してなかったわけですが、それでもいつもよりお早めの4月30日だったのに、…葉桜どころかまったく咲いてませんでしたな。
でも、暖かくて風もない、心地好いピクニック日和でした。

さっそくお弁当を拡げたその真ん中に…。

監督が持ち込んだ、謎の装置…。なにこれ?

なんと子どもたちが小さい時に遊んでいたという「回転寿司ごっこ」のおもちゃでした。
こんな風に使用。ただずっと回っているだけ、ボタンを押すと粋な掛け声「へいっ、らっしゃい!」「ハマチ一丁!」とか言ってんの。笑。
ナンセンスで面白いっす。
小さい装置なのに、けっこう自分の手前に来るまで、取るタイミングを待たされてしまうんだな、これが。

虫六持参の代わり映えせぬ「ハム巻」も、カップインでくるくる回ってきた。
やーん、なんだか可愛くなっちゃった。

監督、これ面白いわ。来年も持って来てね。

幹事長N純は、これまでのアウトドア用炭火コンロを脱却して、新兵器を投入。ブルーシート場外料理担当から、プレゼン型料理人と化していました。

さっそく、W君が作ってきたトマトソースパスタを目の前調理。おー、旨そー!
あ、ちなみにこの手はゴジラではありません。
 
いつものように、食べたいもの持ち込み方式、ダラダラのみ。
とりとめのない話で過ごす1日。
ときどき横になる、有り。

今年は決め打ちで日程設定をしてしまったので、プロジェクトメンバー面々の半分は、お仕事等で参加出来なかったのですが、K監督家、幹事長兼板長のN純、S家(虫六子は帰省出来ず欠席)、と、去年あたりから参加の、Mちゃん、W夫妻とそのお友だちでニックネーム「師匠」さん(←昨日命名)、遅れて今年春から仙台住民に戻って来たKりんも加わって、けっこう賑やかに。

酔っ払って、どんな話をしたか、ろくすぽ覚えていませんが、覚書。(順不同)

・「羊の木」の映画と漫画の件。(裏話あり)

・「チコちゃんに叱られる!」が面白い件

・「鳴子温泉郷物語」再演するらしいの件

・人間はどうして2足歩行の進化を選んじゃったかな?からの、ナックルウォークの件からの、人間は宇宙の中でちょうどうまく進化に適応した生き物だったという説があるらしい件。

・広島の脱獄囚が、どうやって脱獄したのか?の件。味噌汁で鉄格子を腐食させた or スプーンでトンネル掘った…。

・いま数学に惹きつけられる件(監督)。数学の理論は分からないが、数学者の人生や歴史からしかなぞれないけれど、とにかく面白いんだ…。アレフゼロとか、カントールとか、ガロアとか。

・KAちゃんが葬儀社に就職してエンバーマー(遺体修復師)の資格取得のために勉強中で、KOちゃんが今年はニューヨークに短期留学して超有名人の家にホームステイした…という話で、K家の子どもたちが「生きる力」半端ない件。

・虫六が高校の恩師から手紙をもらった件(←後日書きます)

とかとか。話題は尽きず…。
なんだかストレスフリーで、いい1日でした。

今年は秋もやるかー、芋煮会!って感じで終わったのでした。



2018年3月8日木曜日

2月に読んだ本

2月の読書メーター
読んだ本の数:6
読んだページ数:1477
ナイス数:20

兄弟 (文春文庫)兄弟 (文春文庫)感想
「石狩挽歌」の歌の背景は凄まじい世界だった。まともに仕事をしたことはないのだけれど、うまくいかないと分かれば徹底的に負けないとおさまらず、億単位の借金を弟に肩代わりさせて、当たり前と悪びれもせず虚勢を張る、特攻の生き残りの兄。他人からみたら、こんな無茶苦茶な怖い人世の中にいるの?!なんだけど。それを受け入れて借金を完済しつづけ(!)なお鎖を断てない、才能ある弟も凄い。なかにし礼の作詞家としての成功の裏に、こんなブラックホールみたいな兄の存在があり、それがある意味、創作のエネルギーだった、というのも。
読了日:02月24日 著者:なかにし 礼

羊の木(5) (イブニングKC)羊の木(5) (イブニングKC)感想
kindle版、最終巻。 教育長・白尾政光、大型ダンプカーで大暴れ。重機の凶暴さが犯罪を通り越していてアクションものの迫力。 善行が巡り巡って誰かを不幸にしてしまったり、生まれも育ちも関係なく、罪は性根に宿るものって訳じゃないと。不幸にも歯車が狂い罪を犯した人が再び生きていくためには「居場所」が必要で、それを本人も社会も大切にできるかどうかなのだと、たぶん映画のテーマにも通底してたかも。 イジメられてた中学生が炎上するダンプが海に落ちるのをみて「生きていればこんなこともあるんだな」って表情が良かった。
読了日:02月12日 著者:いがらし みきお

羊の木(4) (イブニングKC)羊の木(4) (イブニングKC)感想
kindle版で一気読み、つづき。 罪を精算して人生をやり直すはずの町で、元犯罪者の皆さんとはカンケー無く、フツーの市民の中にも不倫やそれにまつわるもめ事はあり、社会的には立派そうな人たちの日常も狂っているよ。 そんな中、月末さんちの理奈ちゃんは爽快。健全だわー。 書き下ろし小説は「キヨミ」。スピンオフで、漫画にしてください、いがらし先生!
読了日:02月12日 著者:いがらし みきお

羊の木(3) (イブニングKC)羊の木(3) (イブニングKC)感想
kindle版で一気読み、つづき。 馬に蹴られるチキン対決は何をしたかったのか分からないけど、こういうナンセンスなエピソードを挿入してくるところは好きです。三田村、怪しい…?国家プロジェクトから離脱して魚深市の状況がツイン・ピークス化してきた? 山上先生の書き下ろし小説は「模型」。
読了日:02月12日 著者:いがらし みきお

羊の木(2) (イブニングKC)羊の木(2) (イブニングKC)感想
kindle版で一気読み、つづき。 奇祭「のろろ祭り」が、祭りを通りこして猟奇。いがらし先生の庚申様思い出しました。宮越は気持ち悪いやつだなー。それから大野さんのニワトリ…。じわじわ来てます。 巻末の山上先生の書き下ろし短編小説「浜辺」も読み応えありです。
読了日:02月12日 著者:いがらし みきお

羊の木(1) (イブニングKC)羊の木(1) (イブニングKC)感想
kindle版で一気読み。 先に映画を観てしまったので、こんなに設定が違っていたのかとちょっと驚き。国家プロジェクトといいつつ、おっさん三人組がお世話役…?公務員の錦戸君らしき爽やか青年は出て来ませんですが、月末一さんは仏壇やの親父さんです(笑)。元受刑者もいろいろあってもっと複雑。こんな話だったのかー?! びびり気性の月末さんが頼まれるまま移住者を迎えにいって初対面で接する時の、妄想する恐怖心が地震のように微動から大きな揺れに変わっていく脇汗な感じが、映画には無かった。達観した大塚さんと対照的。
読了日:02月12日 著者:いがらし みきお

読書メーター

2018年2月18日日曜日

玉・仁座のお軽・平右衛門に放心状態_二月歌舞伎座夜の部

「至芸」という言葉がありますね。七代目三津五郎の踊りであるとか、四代目竹本越路太夫の切り場語りであるとか、大成駒屋の女形であるとか、いまや言葉や映像や音源の記録でしか知ることができない名人たちの「至芸」というものに、とても憧れ、その時代に遅れたことをとても残念に思うことがあります。

今月の『仮名手本忠臣蔵』の七段目は、そんな風にのちの語り草になる名舞台だったと思うのです。自分の生きた時代で「至芸」を見ることができたと思えた、そんな玉三郎と仁左衛門のお軽・平右衛門でした。

今回の公演は、奇数日と偶数日とで配役が変わって、お軽=玉三郎(奇数)・菊之助(偶数)、平右衛門=仁左衛門(奇数)・海老蔵(偶数)となっていたせいで競争率が倍になり、また、出演者が多いため後援会が押さえてしまっていたのか、とにかくチケットが超がつく激戦でした。歌舞伎会の先行の売り出し日、一般会員に回って来る頃には、週末と千穐楽にはほとんど空きがなく、10時打ちしてやっと手に入れた席は、1等席ながら2階の東奥。ほとんどオペラグラスが手放せなかったね。

それでも、この舞台を生で観たことは、この先の自分の支えになるだろうと核を得たような気分です。


男女の関係の中でも、兄と妹がもつ独特の親密感というものがあります。艶々した嫌らしさや媚びがない、兄妹という関係の中だからこそ可愛さが引き立ってくる、そんな玉三郎のお軽に思わず惹きつけられました。
仁左衛門の平右衛門は、たぶん、小さい頃からやんちゃな兄で、けっこう不条理な乱暴なんかもかましていたに違いない。でも、妹は、そんな兄に対するあしらい方には慣れており、何よりお兄ちゃんのことは大好きで甘え方も知っている。また、兄も妹が可愛い…という、昨日今日できあがった関係じゃないという肚があり、お互いが転がし合うようなリラックスした演技に、ゆるゆると吸い込まれていくようでした。

「兄さん会いたかったー、会いたかったー」で、胸がキュンキュンしてしまいました。
お軽はお軽なりに、不安で寂しい日々を送っていたのだよねぇ。

でも、兄さんのことは大好きだけど、お軽の頭のなかは勘平さんでいっぱいなのでありますよ。ところがすでに実家では散々なことが起きていて、兄は、妹が気の毒でそれを口に出来ないでいるんだけど、ついにその死を告げてしまうと、これまでのリラックスした空気が一変して、お軽の息が止まる、長い長い間。この息に飲まれて、小屋全体がしーんと息を詰めました。全てが真っ白になったようだった。物音ひとつしなかった。

「間」というよりも、「呼吸」ですね。
会場全体が二人の役者の呼吸に支配されている感じでした。

そこからは、感情の大波小波が押し寄せてきて…急に血流が乱れましたね。なにしろ、思い出すのは11月の仁左衛門の勘平さんですよ。歌舞伎って面白いよねー。はぁはぁ。

幕が上がる頃には放心状態、これを絶品と言わずに、なんと表現したらいいのか。
気迫や迫力で魅せる舞台もありますが、この舞台は力みがない巧さが際立ちました。いつの間にか仮名手本の世界の扉が開いていたーという感じでした。

仁左衛門と玉三郎も、掛け合いを楽しんでやっているみたいでした。

白鸚の大きさのある懐深い由良之助も良かった。二人のことを思う滋味があり、大人を感じさせました。平右衛門、お軽それぞれの絡みの場面も良い感じでした。やっぱり全体に上出来の舞台でした。

当代染五郎君の力弥もとても似合っていました。
気品漂うルックス、所作の綺麗さは好ましいですし、この先、高麗屋の御曹司としてあんな役こんな役もやっていくんだろうと思うと楽しみなわけですが、早野勘平のリアル年齢32歳まであと20年と思うと、これについてはそれまで脳神経を健康に保てるのかと、自分のポテンシャルの方が不安ですよね。

新幸四郎の『熊谷陣屋』ももちろん良かった。
でも、1月の吉右衛門丈の富樫もそうだったらしいですが、今月の仁座・玉の舞台そのものが、幸四郎に対するまさにの餞(はなむけ)なんでしょうね。
先はもう少し長いかも知れないけれど、新幸四郎の円熟期まではたぶん観にいけるだろうと思うので、自分も観客としてもうちょっと成長していきたいものです。

高麗屋には、面白い芝居をたくさん作って欲しいし、また「至芸」と呼ばれる技に到達するまでがんばって欲しい。期待しています。

観劇日はちょうど節分で、『木挽町芝居前』の中で豆まきがありました。2階の隅にもまいてくださいまして、ゲットできました。縁起良し!今年も歌舞伎の神様、どうぞよろしくお願いします。


二月大歌舞伎 夜の部

一、一谷嫩軍記
熊谷陣屋(くまがいじんや)

熊谷次郎直実  染五郎改め幸四郎
熊谷妻相模  魁春
藤の方  雀右衛門
梶原平次景高  芝翫
亀井六郎  歌昇
片岡八郎  萬太郎
伊勢三郎  巳之助
駿河次郎  隼人
堤軍次  鴈治郎
白毫弥陀六  左團次
源義経  菊五郎

今井豊茂 作
二、壽三代歌舞伎賑ことほぐさんだいかぶきのにぎわい)
木挽町芝居前

木挽町座元 菊五郎
芝居茶屋亭主 仁左衛門
茶屋女房 玉三郎
男伊達 左團次 又五郎 鴈治郎 錦之助 松緑 海老蔵 彌十郎 芝翫 歌六
女伊達 魁春 時蔵 雀右衛門 孝太郎 梅枝 高麗蔵 友右衛門 東蔵 秀太郎
表方  廣太郎
役者  錦吾
高麗屋番頭  猿之助
町火消組頭  楽善
木挽町町年寄 我當
江戸奉行  梅玉
太夫元  吉右衛門
芸者  藤十郎

二代目松本白 鸚
十代目松本幸四郎 襲名披露口上
八代目市川染五郎

幸四郎改め白鸚
染五郎改め幸四郎
金太郎改め染五郎


三、仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)
祇園一力茶屋の場

大星由良之助  幸四郎改め白鸚
大星力弥  金太郎改め染五郎
赤垣源蔵  友右衛門
富森助右衛門  彌十郎
矢間重太郎  松江
斧九太夫  錦吾
〈奇数日〉 
遊女お軽   玉三郎
寺岡平右衛門 仁左衛門
  
〈偶数日〉 
遊女お軽   菊之助
寺岡平右衛門 海老蔵