2010年2月2日火曜日

1月に読んだ本

1月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1093ページ

片岡仁左衛門写真集片岡仁左衛門写真集
十五代目襲名11年目の片岡仁左衛門写真集。切り撮ったのは天才・篠山紀信。仁左衛門は篠山に「仁左衛門という役者ではなく、演じているその人物を撮る」ように依頼したそうだ。まさに円熟期を迎えた役者の「性根」が伝わってきて息を吞む。見た舞台はあの濃密な時間が思い出され、見てないものもリアルにイメージできる。分冊の「芸談」は関容子の秀逸な聞き書き集。役者の思いを丁寧に引き出していて興味深い。お役ひとつひとつ、仕草の隅々にまで細心が行き、深い解釈があるのですね。この役者の舞台は見逃したくないという思いに駆られます!
読了日:01月25日 著者:片岡 仁左衛門

テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)
いきなりタイムスリップして平たい顔族(日本です)の高度なお風呂文明にカルチャーショックをうける古代ローマの建築技師・ルシウス。そこで見聞したお風呂スキルをちゃっかり転用してローマ随一の浴場設計技師にのし上がる。人がお風呂に求める癒しと快楽は国境も時代も超えるんですね。和のお風呂空間にヌッと存在するどう見てもローマ彫刻のルシウスが図としてすでに可笑しすぎるし。
読了日:01月21日 著者:ヤマザキマリ

同級生 (EDGE COMIX)同級生 (EDGE COMIX)
日本の少女マンガのお家芸「BL」もこんなところに来ていたんですね。か細くて艶っぽい描線は華奢なのにかなりエッチな印象なんですが、ムギュっとつかんでくるのは恋に恋していた頃の心のやらかいトコって感じです。
読了日:01月16日 著者:中村 明日美子

神去なあなあ日常神去なあなあ日常
「うそだろ〜」ってあり得ない事が起こっても、「なあなあ」で事態も心も収まってしまう、文字通り神がかった神去村の暮らし…痛快です。深〜い山の懐と、そこで育った人しか持ち得ないなんとも言えない人間の魅力と、そこで揉まれながら成長していく勇気のいっぱいいっぱいの姿(というか「独り言」)が微笑ましく、すがすがしい。普段はちゃらんぽらん、でも斧を持たせると神様に選ばれた男になるヨキもかっこいいです。
読了日:01月15日 著者:三浦 しをん

江戸演劇史(上)江戸演劇史(上)
遠くの暗闇を懐中電灯で照らすような断片的な知識しかなかった日本の古典演劇史について、臨場感を持ちながらだいぶ理解できたような気がします。実像として見えていたある看板役者の時代がいつの間にか陰画となり、小さな光彩だった若い才能(役者だったり、戯作者だったり、音曲師だったり…)が次の時代のうねりを作る…政治や時代の感性とも呼応しながら回り舞台のように展開して読んでいて疾走感がありました。演劇人が三都を往来したり、歌舞伎と人形浄瑠璃との関係も興味深いです。下巻が楽しみです!
読了日:01月12日 著者:渡辺 保
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