2013年7月24日水曜日

松山みやげ

家人Tが出張で松山市(愛媛県です)に行ってきました。
で、松山のお土産です。

「しゃん珈琲」の豆。ビターとショコラ。
さっそくビターを賞味しました。コクのある苦み(かなり)ですが、飲み口は雑味がなく後味はスッキリ。高度な焙煎技術がうかがえます。ブレンドは注文してからその場で数種類の豆を量ってまぜて袋詰めしてくれたそうです。ガトーショコラとよく合いました。

「あまちゃん」の夏ばっぱ、こと宮本信子さんが館長を務めている「伊丹十三記念館」に行ってみたらしい。
伊丹氏らしい良い意味で余裕のある(お客はTひとりだったらしい)小さいけれどこだわりミュージアムだったそうです。
お土産はガイドブックと十三饅頭。

伊丹氏の手によるイラスト。Tシャツなんかも売っていたらしいです。絵もうまいなー。

お薦め、十三饅頭。小さくて、餡は甘すぎず上品な甘さ、皮は思ったより香ばしい感じ。
饅頭嫌いの虫六子も「うまい!」と賞賛してます。
ミュージアムのお隣は一六タルトの工場で、この饅頭も一六タルト特製で館限定販売らしいです。

道後温泉で地ビールも飲んだらしいッス…、いいねぇ、松山。
それにしても、愛媛って名字や名前に数字が使われている人多くない?気のせいですかね。

歌舞伎座7月花形歌舞伎「東海道四谷怪談」

なんか東京に仕事があったんですよね。で、夕方に終わりそうだったので、予定に無かったんですけど、(7月は染五郎に菊之助か〜、幕見にでも寄って帰るかな…)なんて思いついて、空席チェックしたら、前方ブロックしかも花道寄りに1箇所空席を見つけてしまいまして、気がついたらポチってました(;´▽`A`` ま、1幕目は間に合わなそうだったので、ドブに捨てる覚悟で…だったんですが。

 けっこう早くに仕事が片付いてしまいまして、明るい内に東銀座到着。
平日だっちゅうに、賑わっております。

 今月は、音羽屋さんに染高麗が加わって、花形公演です。


○通し狂言 「東海道四谷怪談(とうかいどうよつやかいだん)
 
  序 幕 浅草観音額堂の場
      宅悦地獄宿の場
      浅草暗道地蔵の場
      浅草観音裏田圃の場
  二幕目 雑司ヶ谷四谷町伊右衛門浪宅の場
      伊藤喜兵衛内の場
      元の伊右衛門浪宅の場
  三幕目 本所砂村隠亡堀の場
  大 詰 滝野川蛍狩の場
      本所蛇山庵室の場
   
 お岩/佐藤与茂七/小仏小平   菊之助
 直助権兵衛   松 緑
 奥田庄三郎   亀三郎
 お袖      梅 枝
 お梅      右 近
 四谷左門   錦 吾
 按摩宅悦   市 蔵
 後家お弓   萬次郎
 伊藤喜兵衛   團 蔵
 民谷伊右衛門   染五郎

染五郎の伊右衛門は予想を裏切らない色悪で、ま、高麗屋の芸も播磨屋の芸も継承しなければならないポジションではありましょうが、仁左衛門の得意芸も受け継いでおいて欲しいと思うのは私だけではないでしょう。線の太い役者にもなって欲しいけど、すっきりとカッケー役どころはやっぱりニンと思うので…。で、今回少々気になったのは「濁声」(とあえて言わしていただきます)。悪くてもモテるヤツなんだから、声にも色気が欲しいところですね。でも、虫六的には染高麗には期待値高いので、頑張ってください!

菊之助のお岩・与茂七・小平の三役は初役だそうですが、基本的に上手な人なんですよね、綺麗ですし。虫六の「四谷怪談」の記憶(というか基準)は勘三郎丈のなので、それと競べるのは厳しいかもですが、お岩の憐れと与茂七の颯爽が早変わりで面白かったです。役はどちらか言うと与茂七の方がしっくりしていた感じですが…。お岩さんも悪くないのでもっと何回もやって練り上げてください。今回の役は玉三郎丈に教わったそうですが、勘三郎の演出とも違っていて(自分の記憶も怪しいこともありますが)、いろいろな型があるんだなと思いました。顔が崩れた時のメイクは遠目でみると青いヘルメットに赤い眼がポチッと付いてるみたいで、キカイダーかよ(!)でした。せっかくの深刻な場面なのに、ちょっぴり興ざめしましたかね。

「滝野川蛍狩の場」は滅多に上演されないらしいですが、道行みたいな舞踊劇。お岩と伊右衛門の若く美しくラブラブだった頃の回想で、伊右衛門の夢落ちという場面で、確かに全体からすると違和感はありますが、これが入るとこんなハッピーそうな関係のこともあったのに…人の業って深い…と、コントラストが出て面白いですね。

直助権兵衛の松禄は、最近動きに大きさがないような気がする。教科書どおりの折り紙みたいな演技だなーと、ちょっと残念。殻を破って欲しいです。

「四谷怪談」は、お話は陰湿ですが…早変わりが満載で面白いですね。


で、来月は…、三部制の納涼歌舞伎!
しかも中村屋じゃあーりませんか。
しかも!勘九郎と七之助の日替わり公演で「春興鏡獅子」!
なんと!なんと!なんと!
(また勝国師匠弾きますか…?もしかして勝四郎師匠唄ですか?…←誇大妄想?)

ややや、そして鶴松くん?
育ってる〜、イケメンになってませんか。


2013年7月21日日曜日

ジブリの新作「風立ちぬ」を初日に見る

2008年の「崖の上のポニョ」以来になる宮崎駿監督作品「風立ちぬ」が公開になりました。生まれたときからジブリ漬けの虫六子は、このところの宣伝がらみの番組なども豆にチェックして気合い十分、「初日に見る〜」と20日の夜の回をみんなで見に行くことになりました。

40分も前に劇場に行ったのにもう席は埋まっていて、1番前か2番目の列でとお断りされて、見る前からジブリ恐るべし!であります。

作品については、もう情報がそうとう巷に溢れておりますので、いまさらネタばれも何もないのですが…。いろいろな感想を目や耳にする前に、まずは早めに劇場でみることをお薦めしますです。

宮崎監督、おん歳72才とのことですが、…みずみずしいです。恐れ入りました。
厳しい閉塞感で満たされている現実のなかでも背筋を伸ばして精一杯生きる。
尊くて、甘くはない。
鯖の骨に美を見いだす突き抜けた感性。
深い寝息、大きな夢、雲を緑の水田を風が渡る。

思うことも、書きたいこともあるけれど、これから見る人に余計なことを言いたくないので、見た人とだけお話しましょう。メールでもくださいましね。

今度の映画はちょっぴり大人向けですかね。子どもがいっぱいのお菓子臭い劇場ではちょっと興ざめかも、じっくり見たい人は劇場とか時間帯とか選んだ方が良いかもしれないですね。それから、地震の場面があります。トラウマのある方はご注意ください。

2013年7月18日木曜日

南相馬市にて四代目猿之助襲名公演_続報

松竹の歌舞伎美人のニュースをみたら、先日の南相馬市で行われた四代目猿之助襲名公演(【公社】全国公立文化施設協会主催東コース松竹大歌舞伎)の折に、出演者らから財団法人南相馬市文化振興事業団へ、翌日は須賀川市へ、「郷土芸能復興支援金」が贈呈されたそうです。

有り難いですねー。

これをきっかけに、ぜひ地元で毎年歌舞伎公演を!
大負けに負けて2年に1度でも良いッス。

南相馬市には古い芝居小屋(朝日座)もあるんで、いいと思いますが…。

2013年7月15日月曜日

宮一高歌合戦2013で、老婆心ながら考えたこと

虫六子の高校の名物行事「歌合戦」が今年も無事に幕を閉じました。
お疲れ〜。今日から切り替えてくれやー。


今年の優勝は、3年生の「Vampireー永遠に生きる館の悪魔ー」でした。なかなか優れたパフォーマンスで感心しました。虫六子のクラスも頑張ったけど、惜しくも再演組になれず残念。
でも、勝ち負けは結果なので、それぞれ受け止めて成長の糧にしてください。

今年は、歌(コーラス)に気合いが入っているチームが多く、去年に競べても、とても聞きやすく、皆さん上手でした。背景や衣装、大道具も立派でした。

「歌合戦」攻略法はお節介ながら去年の日記に書いたので今年は省略しますが、あえて気がついたところを追加してみると…。

1)テーマが毎年似かよっている。
高校生という世代の関心事というのはそんなに変化がないのかなーとも思いますが、なんだか新鮮味がないような印象を持ってしまいますネ。過去3年くらいの演目はリサーチして被らないようなテーマを思いつけないものかと思います。「こういうことを伝えたい」「こういう世界が好き」という決め方もあるけれど、「このテーマなら、こんな表現ができる」という発想でアイディアを詰めていくと、意外にどんなものでもテーマになり得ると思うのでした。

2)作品全体を指揮するディレクターを決めてはどうか。
虫六が虫六子にいろいろ聞き取りをしたところによると、「これは衣装の担当の子が決めたから」「自分は大道具担当にされたので、背景画のことには意見をだせない」というような言い訳をされるんですが…、大人はこう考えます。「基本的にシンプルなテーマを決めることが大切」というのは去年書いた意見ですが、それをより収斂させるために意見を出し合うべきで、分担してイメージを散乱させたり、違和感を温存したまま遠慮してやり過ごすのは、せっかくの機会なのにもったいない。それだったら、みんなの意見を軌道修正してステージをまとめる責任者を決めてはどうでしょう。(ほんとは居たりするのかな?)

で、思ったことですが…。
宮一高は元・女子高ってことで、いまも全体に占める女子の割合が多く(4:1くらいか?)て、この行事の時は特に男子はテルマエ・ロマエみたいな衣装を着せられてちょっと恥ずかしそうにしている消極的な印象。(ダンスを見せる子もいたけどね)
でも、この行事、男子がディレクターを買って出たらずいぶん毛色の違うステージも作れるのではないでしょうか?蜷川幸雄じゃないけれど、演出監督どすか?自分の思う演出を実現するためにあのじゃじゃ馬娘たちを操縦できる男子は、社会に出たら絶対成功すると思うぞ!
JR某さんなどの元国営系大企業や某Dリョクさんとかいうオヤジ系企業で出世したい人はともかく、いまどきはサービス業界しかり、アパレル業界しかり、いやどんな業界でも、仕事ができる女子を上手に使える人が社会を動かして行くのです。この高校に入った最大のメリットはここだと思うので、ぜひ、男子諸君にディレクターを体験していただきたいと思うのでした。

そんなわけで、来年はもう「歌合戦」を見にいけ無いのが残念ですが、良い伝統なので、下級生のみなさんぜひ来年もがんばってください。健闘を祈る!!





2013年7月14日日曜日

南相馬市にて四代目猿之助襲名公演

12日、以前から約束していた「四代目猿之助襲名公演」を母と観るため、休みを調整して、朝から相馬市の実家に向かいました。
途中、国道6号線の亘理、坂元あたりにやってくると、前面にフラッグを貼り付けた砕石なんかを積んだダンプカーにひっきりなしにすれ違いました。色違いのフラッグには国交省、林野庁、水産庁…の表示。「復興は全然進んでない…」という報道もよく目にしますが、インフラの公共事業に関してはそうとう予算が投入されているということを、あのダンプカーの台数で実感した次第。地元にお金が下りているかどうかは不明ですが…。

相馬市に入ったら、野馬追いモードになっていて、城趾のまわりは幟が沢山たっていました。でも今年は野馬追いに行けないよ〜。

それはそれとし今日は歌舞伎です。しかも南相馬市で!

南相馬市の「ゆめはっと」という市民会館が会場で、なんと!亀…もとい、四代目猿之助丈の襲名公演であります!襲名公演をあえて相馬地方でやろうという歌舞伎俳優を私は他に知りません。採算合うのか?とか、受け入れる方も大変だったと思いますが、何はともあれ「この目で観たい」。というわけで、地元先行発売だったチケットを母に買いに行ってもらいなんとか席をゲットしました。

いちお、遅刻厳禁ってことで、実家で母を拾い、早めに会場に入りましたら、まだ開場まで1時間以上ありました。ロビーで座って待とうとしたら、すでに30人以上いたね。2階のホールの前に行ってみたら、ここにも30人くらいいたね。どんだけ待ち遠しいんだ、相馬の人たち!
会館のロビーには南相馬市民の願い事の短冊をさげた七夕飾りが…。
「おいしゃさんになれますように」「バレリーナになれますように」「○○高校に受かりますように」とか、子どもらしい願い事にまじって「一日もはやく元の町に戻りますように」「家族が一緒に暮らせますように」との切実な願いも、当たり前ですが、ありました。「自衛隊に入れますように」っていうのが、なんだかリアルだなと思いました。

町に市民が帰って来て、立派なホールに活気が戻る日が1日も早く来ることを、心から願うばかりです。

それにしても1時間以上の待ち時間、どうやって時間を潰そうか…と思っていると、母の隣に、見ず知らずの同年輩のご婦人2人が座りました。と思ったら、突如、自分が作ったペットボトルカバー(なにやらサマー毛糸で編んだやつ。ちなみに保温効果もなんもない)を自慢しはじめる虫六母…。(じぇじぇじぇ、なんだなんだ、なにが始まるんだ…)。それを感心しながら受けこたえているご婦人たち。調子に乗って、着ていた服(自分でレース編みで作ったらしい)やバッグ(これも手作りだったらしい)を自慢…、自然に盛り上がるご婦人たち。「これは、センターで習ったの。これは自分で考えて」「あらら、パイナップル編みの変形みたいだね」「んだの、ここの紐のとこ工夫したのね」
…まったく付いてイケナイ虫六。
恐るべし、田舎のおばあちゃんたちのコミュニケーション能力。

…とりあえず開場。やれやれ。歌舞伎を観に来てんのよ、今日は。


平成25年度(公社)全国公立文化施設協会主催東コース
松竹大歌舞伎 市川亀治郎改め 四代目 市川猿之助襲名披露
  7月12日(金)15:00〜 福島県南相馬市 南相馬市民文化会館 ゆめはっと

一、歌舞伎十八番の内 毛抜(けぬき)      
  粂寺弾正       市川右 近
  小野春道       市川猿 弥
  秦秀太郎       市川春 猿
  八剣数馬       市川弘太郎
  腰元巻絹       市川笑三郎
  小野春風       市川笑 也

二、四代目市川猿之助襲名披露 口上(こうじょう)
  亀治郎改め市川猿之助 幹部俳優出演

三、三代猿之助四十八撰の内 義経千本桜(よしつねせんぼんざくら) 川連法眼館の場     
  佐藤忠信/忠信実は源九郎狐  亀治郎改め市川猿之助
  亀井六郎       市川猿 弥
  駿河次郎       市川弘太郎
  川連法眼       市川寿 猿
  静御前        市川門之助
  源義経        中村梅 玉

今年の公文協東コースは、澤瀉屋一門に梅玉丈を加えた一座。今週は、月曜日(8日)の青森市(昼夜)にはじまって、→八戸市(火・昼夜)→北上市(水・昼夜)→盛岡市(木・昼夜)→南相馬市(金)→須賀川市(土)とフル稼働。移動しながら決まった時間には幕を開けるわけですから、巡業ってすごいですよね。盛岡から南相馬市、須賀川と、交通的にも不便な状況もあるし、役者さん、スタッフさんともどこに泊まってどうやって時間を合わせているのかと想像すると、制作担当さんにも頭が下がります。

そして、そんな旅回りにあって、全然手を抜かない妥協のない芝居を見せてくれた澤瀉屋のみなさんにまずは感服しました。

猿之助丈が真剣勝負で舞台に立つだろうということは想像していました。

それぞれの会場に合わせて限られた条件で最大公約数的セットを作るわけでしょうから演出にも限界はあるのですが、(僭越ながら、新橋演舞場のジェット花吹雪の襲名公演も、金丸座の感激かけすじ宙づりも観ている虫六です)この南相馬市の、絵に描いたような地方の文化センター仕様の舞台で、宙づりこそありませんでしたが、十分に素晴らしい舞台で素直に胸に熱いものが込み上げてきました。
あの、「四の切」の源九郎狐でした。
けなげで、かわいくて、身も軽やかな…。去年の6月の襲名以来、いったい何回この演目を重ねているのかなー、ほんと観ていて気持ちが良いです。
ひとつひとつの型が決まる、けれんが決まるごとに、わぁーっと会場が沸きます。自然に拍手が打たれます。大向こうこそ掛かりませんが、それは澤瀉屋がサクラを入れていない証拠でもありますね。2階席でみていたけれど、「かわいー」「ええっー」という感嘆の合いの手が聞こえてきて、こういう空気は役者も感じていたのではないかな。

今回、梅玉丈の義経も良かった。子狐が親を思う健気な気持ちを解して、肉親の兄に追われる立場になった自分の境遇を思い、子狐に同情して鼓を与えるわけですが、その義経こそが憐れで主人公だったんだということが、なんだか伝わってきました。義経役にこういう感慨を覚えたのははじめてでした。

虫六が感心したのは、「四の切」だけでなく、右近丈が粂寺弾正をつとめた「毛抜」もとても良かったということ。澤瀉屋全体がすごく良い芝居を見せてくれたということです。
右近丈、とても大きな大らかな芝居で面白かった。こういう役はニンですね。珍しく笑也丈が女形でなく、小野春風役でした。腰元小磯の兄を名乗る万兵衛に因縁を付けられるところで、「じぇじぇ」とつぶやいて、会場を沸かせていました(笑)。(おばちゃんたちもみんな観てます『あまちゃん』!)このネタ、青森からやっているでしょ。
個人的には、笑也丈に静御前をやって欲しかったが…。


福山の襲名幕も一緒です。
口上も心がこもっていて良かったです。門之助丈の本名が「相馬」さんだとか、実は笑也丈は青森出身で、この業界では東北出身者が少なくて、訛りを直すのが大変でしたとか(笑)。
猿之助の「みなさん、よくぞ生きていてくれました」には胆を潰しましたが(苦笑)、ずっと駆けつけたかったんだ、という思いが痛々しく伝わってきて、ありがたいと思いました。この公演をきっかけに、澤瀉屋が南相馬で歌舞伎公演を定期的に行っていけるような地盤が築けると嬉しいなと思います。(お手伝いできることがあれば、なんでもするけどなー)

終演後、会場を出たお客さんたちと駐車場にむかって歩いていたら、「良かったね−」「満足したー」「○○さんも来たがっていたけど、2枚しか買えなかったから残念だったね」(購買制限があったのでした)という感想が聞こえてきました。
同行した実家の母もはじめてみた歌舞伎に満足していました。さっそく、お茶飲み友達のおばあちゃん達に猿之助の自慢話をしていることでしょう。

2013年7月11日木曜日

ガガでしょ?!

例により激務マンスリーに突入で、なにげに休日出勤もかかってきましたが、浴衣会の日取りも決まりましたので、お稽古は休まない虫六です(エラい!)。先生、遅くまでありがとうございます。

さて、今日も閑話休題。

“これは驚いた” 美容師の傑作
ウィーン発バッシュ【共同】ウィーンでさきほど世界ヘア・スタイル・コンクールが開かれ、各国の美容師が自慢の腕前を披露した。【写真】幻想的なスタイル三種。
                                                                        …昭和31年10月9日 河北新報より

LADY GAGA ってレトロだったんですかね?

2013年7月8日月曜日

ゆきち埋葬(←金魚です)

ガスパ家のご厚意により、邸宅の庭に、冷凍ミイラ状態だったゆきちを埋葬していただきました。

ゆきちによく似合う墓石発見。
お線香(かなり高級)も立てました。
ゆきち、安らかに眠ってください。たくさんの癒しをありがとう。

そんなわけで、なぜかガスパ家にてゆきちの通夜振る舞いをご馳走に…。
あれ?普通、我が家が振る舞わねばならないんだよね、こういう場合。
いつもごちそうさまです。厚かましい虫六家です。へへへ。

先頃ガスパママが観てきた歌舞伎座6月公演の話(海老蔵丈が五郎役で活躍の「曾我兄弟」が良かったらしいぞ!羨ましいぞ!)。それから10月の文楽の予習ってことで、先日の国立文楽劇場の録画番組の視聴などしながら、夏らしい料理に舌鼓。なぜか「肴」系のお品書きですが…笑。

メインは鰹のたたき!うまっ。
薬味たっぷりがまた涼味があっていいのよね。
辛口の日本酒がすすみますな。

〆のご飯は深川飯。
なんつか、贅沢っす。ほほほ。

デザートはうちから持って行った森の香本舗の水ようかん。
小豆のもあるんですが、こちら緑色の方は「緑陰」。鶴岡産の良質なだだっちゃ豆を丁寧に皮をむいて裏ごししているそうです。滑らかなのどごしに豆の香りが爽やか。中に白玉が入っているのも嬉しい。大好評でした。


2013年7月7日日曜日

シネマ歌舞伎『牡丹燈籠』で、とんだハプニング… (lll゚Д゚) 

最近お芝居も見にいけていないので、シネマ歌舞伎『牡丹燈籠』を見にいきました。なにしろ今週1週間だけの上映で、しかも朝10:00の1回のみ、かつ特別料金2000円から割引きなしですが、贅沢いっちゃいられません。見られるのは今日だけ!だからです。
本当は、虫六子の塾の送迎を頼まれてましたが、「彼女の自立をうながすこと」を理由に断りまして、休日の朝から出かけました。

で、ここまでは良かったのですが…。

余裕はないけどやれやれ8分前に着いた!と思ったら、なんと、駐車場の入り口まで長蛇の列…。


へ、なにこれ?(しばし、真っ白)…じぇじぇじぇじぇ、チケット買う人?こんなに並んでんの?あの、わたしの映画、もう始まるんですけど…。甘かったか…俺。(そういえば、いつもシネマ歌舞伎は平日しか観ていないのだった。今日は日曜日だった…)急いで「お先にネット」で席予約して自動券売機で買おうと思い、iPadでアクセスするも、Movixのサーバー繋がらず…。(ちぇっ、考えることはみんな同じだぜ!)この時点で、最初から見られないこと決定ですが、しょうがないので並んで待ちました。

映画開始から30分以上遅れて入場。もう、お露(七之助)とお米(吉之丞)の幽霊が、萩原新三郎(愛之助)の邸宅に現れて契りを結んで欲しいとかいう場面でした…。あ”−、残念すぎる。


でも、まぁ、すぐに話に入っていけて、1部が終了。『牡丹燈籠』って、『四谷怪談』や『番町皿屋敷』のような恨み辛みの怪談ものと思いきや落語みたいで、笑えますね。伴蔵(仁左衛門)とお峰(玉三郎)の夫婦の掛け合いが、可笑しみがあって、ぶっと吹き出す場面しきり!幕間を挟んで、第2部突入…。

ここでとんでもない事件が!

後ろの方で観ていた妙齢のご婦人が、急に発作を起こして叫びだし、大きないびきをかいたあと、気絶…!場内騒然となり、映画はストップ、灯りがつきました。
映画館の方が救急車を呼んで、お客さんも手を貸して横にしたり運び出したり…。館内のみなさんも何がどうなったのか…という感じで、ざわざわ。(この中にお医者さまはいませんか?!という呼びかけはありませんでしたが…)
なんとか救急隊員が到着して、ご婦人も意識が戻り運び出されましたが、動揺は残りましたな。この間15〜20分くらいでしょうか?

けっきょく、騒ぎが起きたころの場面に巻き戻して、上映再開。
馬子久蔵(三津五郎)に伴蔵が芸者に入れあげて浮気していることをお峯が聞き出す場面あたり。いえ、十分に面白いお芝居だったのですが、幽霊の話だし、なんだか忘れられない出来事になってしまいました。

ちなみに、救急車で運ばれたご婦人は無事だったようで、まずは良かった。



2013年7月4日木曜日

痛い、痛いおじさんの話_iPadは容赦ないサトラレ端末

ある日、某タブレット端末上で会話するふたりがありました。


虫六「ねえねえ猪九郎君、僕、こないだ地下鉄で痛いおじさん見ちゃったよ。」

猪九郎「痛いおじさんはいっぱい居そうだけど、何があったの?」

虫六「今どきってさ、電車に乗ると8割くらいがスマホとかいじってるよね。」

猪九郎「うん、昔だったら文庫本とかスポーツ新聞とか週刊誌ってとこだね。ちょっと前は携帯だったけど、いまはスマホだね。みんなネットゲームやメールなんか打って暇つぶししているね。」

虫六「それでさ、ある日僕が地下鉄に乗ったらね、白髪は短く刈り込んでお口のまわりにオシャレ髭なんかたくわえた60がらみのビジネスマン風のおじさんが乗っていたの。」

猪九郎「うんうん」

虫六「それでさ、その人、足なんか組んでおもむろにiPad取り出してメールチェックはじめたんだよ。」

猪九郎「電車の中でもお仕事してるのかな…。東京のビジネスマンは忙しいね。」

虫六「で、僕ね、近くに立ったから何げに画面が見えちゃったんだよ。で、普通、パソコンのメーラーって添付ファイルは“ひらく”って選ばないと見れないけどさ、iPadって漏れなく写真は開いて見せてくれるじゃない。」

猪九郎「そういえば、そうだね。」

虫六「そしたら、そのおじさんの開いたメールには、下着姿のお姉ちゃんとか水着姿のお姉ちゃんとかの写真がいっぱい添付されていたんだよ。僕、目が点になっちゃった。」

猪九郎「そいつはバキューンだね。おじさんも痛かったね。」

虫六「で、おじさん、慌ててメーラーを閉じたんだけど、手持ちぶさたになっちゃったんだね。次は、フォトアルバムを開いたの。そしたら、前に見ていた写真アルバムが開いちゃったらしくて、夥しい量のお姉ちゃんのエッチな写真が開いちゃったんだよ。インデックスでどばっと。」

猪九郎「うひょー、それは痛すぎるね。川島八重にマシンガンでダダダダダッって撃たれたみたいだね。命中!だね。」

虫六「おじさん焦ってタブレットのディスプレイを叩き回してたよ。でもさ、スクロールしてもスクロールしても、お姉ちゃん写真ばっかりなんだ。どんなに入れてんだって枚数だったよ。」

猪九郎「僕、他人事ながら脂汗が出て来たよ。」

虫六「ココまで来ると、パニクるおじさんが面白くなってくるでしょ。ま、直感的に気持ちわる!って思うけど、悪いおじさんより、痛いおじさんの方がまだ可愛げがあるということもあるかなー。昔の中国の偉い人は、“…四十にして惑はず。五十にして天命を知る。六十にして耳順ふ。”とか言ったらしいけど、六十過ぎても惑っている人はいっぱいいるよね。みんな四十になった時に惑っちゃいかんのか〜って焦るけど、その先の成長はなかなか難しいのが現実だよね。」

猪九郎「僕のまわりを見る限りでは、六十でも七十でも悟れている人なんかあんまりいないよ。出来ないから、かっこつけてそんなこと言ってみたんだよ、きっと。昔の人も嘘つきだね。でも、スマホだか、タブレット端末だか、みんな大したことに使ってないんだね。」




2013年7月3日水曜日

DVD小沢昭一「唐来参和」

小沢昭一さんの晩年のライフワークとなった、しゃぼん玉座のひとり芝居「唐来参和(とうらいさんな)」がDVDとなって発売されました。いえ、発売日は3月の20日だったのですがね。



俳優・小沢昭一が“引退興行”と称して、18年演じた一人芝居「唐来参和」。
全国津々浦々、660回の旅公演を重ねた名作ですが、虫六はついにお元気なうちに舞台を拝見することができませんでした。テレビでも見られなかったこの舞台がDVD化されたのです。

収録されたのは、
1988年2月26日、新宿・紀伊國屋ホールの舞台。


原作は、井上ひさし「戯作者銘々伝」(中公文庫)
「酒に酔うと他人の意見の逆を行く癖があるばかりに、御高家吉良家の用人から妻を吉原の女郎に身売りして長崎じぇ蘭学修行→浮世絵の腕のたつ印刷職人 →黄表紙の洒落本作家(戯作者)唐来参和として名を成すが、女郎の年期の明けた恋女房との祝言の席上、酔った挙句の口論から忽ちその場で女房を吉原裏通り の小見世に叩き売って、その足で女郎屋の婿養子となる。すべての行動の原理が“損得”どころか、酒に酔うと他人の意見の逆を、逆をと行く反対癖。
あべこべ・ひっくり返し・逆立ち。とにかく逆の方向へ行ってしまい自分の気持ちがどういう仕掛けになっているのか自分でも分からず数奇な運命を辿る男と女の物語。」(平凡の友HP、紹介文より)

落語を聞くみたいな「吉原」の案内噺がマクラで、手ぬぐいを被ると、とたんに女性になって、花魁が手管に使うしんこ指細工を作って暮らしている老婆の語りがはじまる…。
引き込まれてしまいました。

小沢さんの真骨頂か…。やっぱり本物が見たかったっす。


2013年7月1日月曜日

6月に読んだ本

2013年6月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1225ページ
ナイス数:26ナイス

芸人の肖像 (ちくま新書)芸人の肖像 (ちくま新書)感想
うわっ、いい写真だなーと見とれていたら、すべて小沢さんが自ら撮られた写真と分かって感服。もちろん、すでに消えてしまった芸能の姿もあり、写真がどれも貴重な記録として重要だということもさることながら、外からはなかなか打ち解けてはもらえないだろう玄人の芸人さんの世界に、小沢さんがいかに受け入れられていたのかが、その自然な表情で伝わって来る。それも小沢さんの底意にあった芸人さんへの尊敬が表現させるものなのだろうと思う。
読了日:6月30日 著者:小沢 昭一



Gad Sfortunato (EDGE COMIX)Gad Sfortunato (EDGE COMIX)感想
主人公Gadの底部に横たわる虚無感。自らを「fortunato(幸運な)」→「sfortunato(不運な)」に意味を逆転させる「s」だと思っている深い自虐。最愛の人には会えない、会っても真には受け入れてもらえない苦しい性。ふわふわと男性に身をまかせる頽廃は、あくまでもクールでスタイリッシュに描かれる。Gadの腕の入れ墨はまるでサイボーグみたいだ。オシャレブランドのマークのような亀の刻印がかろうじてGadの生をここにとどめている。全体が息苦しいモノトーンの印象だが、ピエリーノの存在が空気を送り込んでくれた。
読了日:6月30日 著者:basso

ちはやふる(21) (ちはやふる (21))ちはやふる(21) (ちはやふる (21))感想
原田先生、東日本代表!…はいいけど、須藤君の「譲ります」はどおよ?お話省略ですか?新の西日本代表は危なかっかしくもなんとか。下痢だし。そして、女王への挑戦者を決める試合でやっと「なんで私、選手で出てないの?」と修学旅行に行ってた自分を大後悔の千早…、あんたね、軸足ズレすぎですから。最近巻は突っ込み所満載で、ストーリーそのものはやや垂れ気味な印象です。
読了日:6月23日 著者:末次 由紀



世界の鉄道世界の鉄道感想
鉄道ファンの間では、海外の鉄道はどちらかいうとマイナー部らしいのですが、この風景の中に溶け込んだ列車は圧倒的にフォトジェニックです。写真の出来がどれも素晴らしくて旅情をそそられます。切り立つ岩山、大草原、真っ赤な大地、深い谷に掛かったトレッスル橋、青い空を背景に渡っていく小さい列車…そして、有名な列車が来ると店を片付ける市場のメークロン線(タイ)。人間はありとあらゆるところに鉄道を通してきたんだな。装幀はハンディでカバンにもすっぽり。正方形の判型は写真もより綺麗に見えます。
読了日:6月11日 著者:本郷和人

さようなら 昭和の名人名優たち (日経プレミアシリーズ)さようなら 昭和の名人名優たち (日経プレミアシリーズ)感想
自称・弔辞評論家の友人は常々「自分は孫に弔辞を読んでもらうような葬式は嫌だ。深いつきあいの友達に頼みたいが、それには早く死なんといけないんだよな」と話す。著者が捧げた追悼文は40年間でなんと59人分。昭和の芸能界で活躍した俳優や芸人に、芸能批評家として観客として友人として言葉を贈る。生前の仕事に対する精確な評価もさることながら、同じ時間を共有したものとして自らの人生に重なるところが一層寂寥感がある。盟友だった談志師匠や小沢昭一さんの追悼文を書くのはさぞ辛かっただろう。昭和という時代への惜別でもあるのかな。
読了日:6月9日 著者:矢野 誠一

片山杜秀の本(5)線量計と機関銃──ラジオ・カタヤマ【震災篇】片山杜秀の本(5)線量計と機関銃──ラジオ・カタヤマ【震災篇】感想
震災のあとに片山先生のラジオを知っていたら、ずいぶん心強く過ごせていたかも知れない。冷静な知見には目から鱗がとれましたし、被災地に思いを寄せる心情の距離感にとても共感するものがありました。政治学とクラシックでこんな面白い話ができるとは、世の中には切れる人がいるものですね。続きを読みたい。(というか、ラジオを聞きたい)。クラシックのことは疎いですが、どこからこんな音源を持ってくるんだ!?というマニアックな選曲にも感心した。陸軍第四師団軍楽隊の「長唄《越後獅子》吹奏楽編曲版」はぜひ聞いて見たかった!
読了日:6月2日 著者:片山杜秀

読書メーター