2013年10月31日木曜日

中村勘三郎一周忌メモリアルイベント

10月27日、築地本願寺で中村勘三郎の一周忌メモリアルイベントがありました。虫六もラッキーなことにN姐さんに誘って貰って、この日のチケットを入手することができまして、国立の芝居のあと、急いで築地まで移動しました。

すでにものすごい人が並んでいて、入場するにも長蛇の列でした。指定席なので慌てませんでしたが、いったい何人いるんだろう…と思ったら、公式発表3200人!すげ〜。
(ちなみに、クリネックススタジアムは約23500人、東京ドームは約55000人。…比較に意味なし)
勘三郎丈を偲んでこんなに沢山の人が有料のイベントに参加したというわけですね。本当にまだ亡くなったということがうまく飲み込めません。

始まるまえから少し肌寒い感じでしたが、中村屋の振る舞い酒があり、平成中村座の茶色の作務衣をきたお茶子さんが訪れたお客さんに配っていました。あー、平成中村座だ〜。うれしいなー。しかも、このお酒も華やかな風味で美味しかった!

築地本願寺の御庭に特設された舞台。でも、撮影禁止が言い渡されて、カメラはお役目御免ととなりました。

メモリアルイベントは、平成中村座の『夏祭浪花鑑』にも出演した上田秀一郎の和太鼓ので開幕。フジテレビの女子アナの紹介で中村屋の兄弟が登場、昨日までの台風が心配だった(なにしろ野外イベントなので)けれど、今日の晴天が父らしい…と。そんな父の演出に答えて、湿っぽくならずに進めていきたいと、ご挨拶。

その後、トレーナーに黒ジャケットの笑福亭釣瓶が出て来て、トークショーの開始。ゲストは、大竹しのぶ、柄本明、伊藤英明、江川卓、青木功、永島敏行、渡辺えり、野田秀樹、笹野高史の各氏なんですけど、このバラバラなメンバーから、勘三郎とのエピソードを引き出してしまう、釣瓶の話術にひたすら感心しました。天才だね、釣瓶!

しかも、勘三郎の型破りな人格を表現してあまりある、ユーモアに満ちた話ばっかり。Tノ門病院の便器事件とか、エイプリールのいたずら電話事とか、誰だかのお祝いの会に釣瓶をコスプレで引き出すように仕組みながら自分は風邪で欠席した勘三郎の自宅にコスプレ軍団が襲撃して、勘三郎が2階の窓から家族みんなで「○チガイ帰れ!」と絶叫した話とか…。会場は爆笑の渦。
このイベント、12月の命日近くに放映されるらしいのですが、どこまで放送コードに引っかからずに残るのか、とても楽しみであります。

それにしても、ひとりひとりのエピソードもとぼけた話のつもりでも、醸し出されるのは、奇人変人な勘三郎の素顔(爆)。しかし、そんなエピソードの紹介のされ方にどんなに人を楽しませ、愛された人だったか、今さらながら思い知ったのでした。まぁ、ほとんどが酒とゴルフの話でしたけどね。天国の勘三郎も苦笑いでしょう。(いや、引き攣り笑いか…)
そのあと、クドカンや松尾スズキや小泉今日子らのビデオメッセージが流され、かつて『若きハイデルベルヒ』で競演した大竹しのぶと、36年前の勘三郎のデジタル処理した声とでデュエット…(このあたり、この演出はどおよ?でご意見別れる気がしますが)。

さらに、いま鋭意編集中(まだ出来てない)という、ドキュメンタリー『映画 中村勘三郎』のダイジェスト版が先行上映されました。映画はフジテレビが20年以上記録した映像1時間テープ7000本分を80分ほどに編集するのだそうで、11月の末に全国12カ所の芝居小屋で上映されたあとで、12月21日(木)~1月3日(金)に東劇で上映予定です。芝居小屋では入場料1000円。懐かしい、中村屋の表情や自分でも足を運んだ襲名興行や平成中村座のお芝居での映像が沢山出て来て、とても懐かしかったっす。
この日のイベント参加者への記念品として、この映画の短縮版DVDと手ぬぐいとホッカイロが配られました。

さいごに、勘九郎、七之助、七緒八による舞踊『偲草鶴競猿若舞(しのびぐさつるくらべさるわかまい)』。これって、平成中村座の襲名で勘九郎が踊ったやつですね。舞台の真ん中には勘三郎のお骨(?小さい壺が入ったような袋)が置かれ、勘九郎、七之助の素踊りの連舞いから始まり、終盤には幼い七緒八君が登場して拍手喝采を浴びました。(可愛い…可愛すぎる!)彼の記憶の奥底に今日のこの情景がインプットされるのでしょうか。

夜になり、とても冷え込んで秋の到来も身に染みた一周忌イベントですが、沢山の人に愛された勘三郎らしい、追悼の会でした。

ところで、ひとつ気になったのは、歌舞伎界(特に平成中村座のメンバー)のみなさんは誰も姿をみせなかったこと。何か事情があったのかもしれませんが、本当の意味で一番身近にいた戦友ともいえる彼らにとっての勘三郎丈一周忌はどんな感じなのかなと、ちょっと胸がシクシクしたのでした。






2013年10月30日水曜日

染高麗の『春興鏡獅子』を堪能_国立劇場「10月大歌舞伎」

発表会のプレッシャーから解放されて、翌日虫六が向かったのは国立劇場の10月大歌舞伎公演であります。
おっとその前に寄り道。虫六子に頼まれていたお土産を買わなければなりません。赤坂サカス内のTBSショップでドラマ『スペック』のグッズを所望されていたのですが、おさらい会の前後にでも抜けていこうと考えていたのが、台風の雨に阻まれて挫折していたのでした。

そんなわけで、少し早めに宿を出て赤坂に向かいました。乗り換えの市ヶ谷駅から釣り堀が見えます。台風一過で今日は釣り日和のようです。

11時の開店前にTBSショップに着いたのですが、なんだなんだ?すでに人が並んでいるぞ…。ご苦労様ですと他人事に構えてベンチで時間を潰していたら、この列どんどん長くなっている。(もしかして入場制限されますか?!)と気がつきまして、慌てて列に並びました。こんなところで時間をとられて、歌舞伎に遅刻したら身も蓋もないもんね。でも第一陣に入れてもらえず、15分くらい順番待ちをしました。イタタ。
なんとかお目当ての品をゲットして(ちょっと気前よすぎるくらい買いました。←後ろめたいのか?俺。)、赤坂から散歩しながら隼町へ。


○平成25年度(第68回)文化庁芸術祭主催
10月歌舞伎公演 『一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)
        『春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)

並木宗輔=作
『一谷嫩軍記  二幕三場 ― 陣門・組討・熊谷陣屋 ―』
   序  幕   須磨浦陣門の場   
           同   浜辺組討の場
   二幕目   生田森熊谷陣屋の場
   
福地桜痴=作
新歌舞伎十八番の内 春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)』長唄囃子連中
       
   (出演)
   松 本 幸 四 郎
       中 村 魁   春
   市 川 染 五 郎
   中 村 松   江
   市 川 笑   也
   市 川 左 團 次
            ほか  

『一谷嫩軍記』は、よく「熊谷陣屋」の場は観る機会がありますが、序幕から観たのは初めてでした。
染五郎の敦盛ははまり役ですね。よく‘紅顔の美男子’の代名詞だったり、白馬に跨がる緋縅の甲冑や幌を身につけた武者姿は、人形や錦絵のモチーフにもなる敦盛。あー、敦盛ってこれだったんだ!と納得の眩さでした。

さすが、小学生の時に張りぼての馬が欲しいと親にせがんで大道具さんに作らせてしまったという破天荒なエピソードをもつ筋金入りの梨園の御曹司であります!(『染五郎の超訳的歌舞伎』小学館・2013年、参照)

そして、その敦盛の首を熊谷直実が討つわけなんですが、お話の筋的には、自分の息子・小次郎と同じ年の敦盛の若い命を奪うことへの不憫さで躊躇っているように描かれていくのですが、すでにこの話をよく知っている観客にとっては、実はそこにいるのは敦盛と入れ替わった小次郎で、つまり直実は我が子を手にかけなければならず躊躇し苦悶していることが分かるわけです。そして、自ら身替わりになることを納得して、はやく首を切ってくれとせがむ息子…。こんな断末魔があっての「熊谷陣屋」だったのですね。
そして、これを踏まえて首実検の場をみると、過剰な演技などなくても、直実の苦しみや無情感がずんと伝わってくるような気がしました。いつもは勝手に出家していく直実に対して、息子を奪われただ置いて行かれる相模に同情…なんですが、今回ばかりは直実の辛さがよく分かりました。幸四郎丈の直実もとても良かったように思います。ちょっとうるっと来てしまいました。
それから、左團次さんの弥陀六もとても良い感じでした。

さて、お目当ての『春興鏡獅子』。今月は染高麗であります。
8月の中村七之助のも相当、相当、良かったのですが、こちらもまた格別の内容でした。眼福づつき…(爆)

染五郎の弥生は、いかにも御殿女中(当時のキャリアガールでしょうか?)の気品というか芯の強さのようなものが凜としていて、でもかわいくて、すごくステキでした。動きもきれいだし、扇使いなども危なっかしさなどなく安心して観ていられる安定感。
そして、動作が決まるときに先ほどまではバラバラに掛かっていた大向こうが、息を揃えたように一斉に「高麗屋!」とド迫力で掛かった時は、背筋がぞぞぞっとするくらい会場内がひとつになりました。
あれは、役者としてもさぞかし気持ち良かったことでしょう。役者冥利ってやつですね。
ちょうど千穐楽の日曜日だったので、そんな空気もあったのかな。

地方さんは、唄の立てが杵屋勝四郎師匠、三味線が杵屋栄八郎師匠で、三味線には松永忠一郎さんや、虫六ご贔屓の勝十郎さんもいて、こりゃほくほくです。勝四郎さんの美声が響き渡りました。また、お囃子は田中傳左衛門社中!傳左衛門さんの雄叫びがすごい迫力で、2階席からも圧倒されました。やっぱり鏡獅子は隅から隅まで面白いね。

胡蝶の精は、染五郎の長男・金太郞と、中車の長男・團子の競演です。それぞれ子どもらしい伸びやかな踊りで会場から感嘆があがるほどとても可愛かったのですが、それにしても團子くんが踊り上手でビックリしました。小さい時から相当やっているのかなと思いました。そして、胡蝶の役はこのくらい小さくないとバランスは悪いと思いました。勇壮な獅子に対して可憐な胡蝶…。そういう意味で、バランスのとれたいいキャスティングでした。

前半の『一ノ谷〜』でも、遠見の敦盛、遠見の直実という役柄で子役が使われるのですが、リアルに考えれば「等身は違うし子供だましな…」と突っ込みどころはあるけれど、無垢な子どもが役者の扮装で出るだけで可愛いし、人の気持ちを1つにします。昔の人は効果的な演出として子どもを出していたんだなぁと感心します。

最後は獅子の舞い(乱序)、先ほどまでのたおやかな女踊りとは対照的な、勇壮な舞です。花道を、たたたたとやってきた時に獅子の鬘の前髪がふわっと立つのがカッコいい。
動きも機敏で毛振りも豪快で、あの大けがのあとの完全復活をこの目で見届けたという思いです。

最初から最後までいきもつかせぬ魅力で引っ張っていかれまして、なんていうかいい知れない満足感に浸りました。さすが染高麗は魅力的な役者になりましたですね。虫六は2階席の最前列で拝見したのですが、幕が降りた後の客席に広がる満足感…観客はみんな感嘆やらため息やらを残しつつ会場を去っていきました。

はー、満足した。

次の『春興鏡獅子』は、勘三郎のシネマ歌舞伎ですね。


…ところで、『春興鏡獅子』の見比べだけでも息子世代の活躍や成長に心強いものを感じる一方で、バックの演奏からも勝国さんクラスの方々の登場がなくなっているような気がしてちょっと寂しいです。


 


2013年10月29日火曜日

長唄・松の会2013

10月26日に恒例の松永圭江先生主宰「松の会」の発表会がありました。

ご祝儀曲の「松の緑」で幕開きです。(虫六はでておりません)

我が一門も参加で、虫六の順番は、真ん中あたりで「岸の柳」。

今年という今年は…、(言い訳にしたくないのですけど)仕事が忙しくて休日出勤の影響でお稽古に参加できなかったり、自主練も思うに任せず、このまま本番を迎えたら白いパニックに襲われること間違いなしという状況だったのですが、先生のご英断で1週前に「譜をみていい」との指令が下りまして、また三下がりへの変調のところも抜いて、「とにかく音を作る、きれいな音をだす、張りのあるバチづかい、勘所をずらさない」に神経を使うことにミッションをシフトして臨むことになり(それはそれで大変なんですが…)、なんつうか虫六的には本番を迎える前から‘たすきを渡せなかった駅伝選手のごとき敗北感’…。

しかし、失敗も負け感もすべて経験は芸の肥やしなので、悔しい思いを胸に精一杯頑張りました。直前に松永直矢さんの助演で替え手を入れていただけることになり、演奏に華やかさや厚みを加えていただき、お唄も圭江先生のほか、姉弟子0さん、兄弟子Kさんにも唄っていただいて、3枚3挺!贅沢な布陣です。一応ホワイトパニックにも襲われず、演奏自体はクリアできまして、……まずは良かった。そして、忠美恵先生、助演いただいた皆さまありがとうございました。

くどいですが、反省点天こ盛りなので、「岸の柳」3年以内にリベンジさせていただきます。(と自分に誓うのでした)

それにしても、自分の演奏があると直前までそのプレッシャーでいっぱいいっぱいで、他の皆さまの演奏もまともに聞いていないのが、毎回残念なのでした。今年もプログラム後半のみなさんの演奏しか聞けなかった(涙)。聞き逃したみなさん、ごめんなさい。
(こういうのは仕事でも同じですね。自分が忙しすぎて余裕がなく、近くでもご同業のお仕事を観にいけてません。反省ですね。私だけでない感じはしますが…)

さて、今年の会場は、赤坂の料亭「赤坂金龍」
創業80年の木造数寄屋造りの老舗料亭ということで、普通に考えてこのような機会でもないと足を踏み入れるチャンスはありませんが、小津の映画に出て来そうな、いい感じの建物でした。外は台風の影響でしとしと雨でしたが、それも風情があって乙でした。

純和風の窓の向こうに赤坂の通りが見いる
廊下も畳貼り…。椅子席にお客様集中…。
こちらは楽屋に使わせていただいたお部屋です。
そんなわけで、発表会終了後は恒例の会食タイム。
やり終えた開放感も加わり楽しいひとときを過ごしました。
(鉄文智師匠、長崎くんち見に行きたいです!その折はご連絡いたします!)

【おまけ】お料理はもちろん和食会席でございました。写真はご遠慮しましたが、とりあえずお品書きだけ(笑)。スペシャルおいしかったです。フリードリンクのメニューなのに「越ノ寒梅」があったのには仰天でした。(飲まなかったけど)



2013年10月25日金曜日

勝負手ぬぐい

あ"〜いよいよ明後日は松の会であります。
今回は、これまでとは比較にならないほどの忙しさで、まじ練習がままなりませんで、未完成のままこの日を迎えてしまいました。あ”〜〜〜あ||Φ|(|゚|∀|゚|)|Φ|| 
きっと虫六が真っ白くなるだろうということを心配された先生が、いろいろ考えてくださり、寸前での方針転換があれこれあり、ますます混乱の中に突き落とされながら、なおやり残した仕事が気がかりで練習するにも集中力を欠く始末…。
困ったな〜。

そんなわけで、気分転換に今回お浚い会に持参する「勝負手ぬぐい」を、秘蔵虫六コレクションからチョイス。下ろしました!

歌川広重の猫づくし手ぬぐい!国芳もいいけど、広重もネッ。
「お三味線なので猫」ってどおよ?ですが。あんまりか…。

ヨシ、気合いの入れ直しだ。本番までテンションあげていきましょう。
(今日はもう練習出来ないけど…)

2013年10月19日土曜日

ふちがみとふなとライブ in 火星の庭2013

連休の後の平日の台風の後の夕方に、ふちがみとふなとのライブがありました。

10月15日(盛岡市)、10月16日(仙台市)、10月17日(郡山市)の、
「2013東北ツアー みちのく秋景色(仮)」
であります。
秋景色どころか、台風直撃でしたよ…。それで(仮)なのか?!

 で、仙台会場の常打ち小屋となっている『book cafe 火星の庭』に予約をいれて聞いてまいりました。ゲストにyumboの澁谷浩次さん。(澁谷さん、先日もかえるさんとコラボ。ビックアーチストとの競演が続いております。)

お、今日はw君(お友だちのアーティストっす)の本棚が舞台装置ですね。

【今日の演奏曲メモ】(順番はちょっと不確か、曲名もちょっと怪しいかも)
・お店やさん
・だんだん日が長くなってきた(←?、日が長くなっていく歌だけど、短くなっていくイメージで…)
・秋の灯
・このまち
・いとしのロール
・私のひみつ
・おばさんは見ている
・ルウ
・渡り鳥職場に帰る
・私に勝るものなし
・おばさんは見ている
・だってチューだもん
・泣く女
・このまち(朝の連ドラ「ふたりっこ」の勝手にテーマソングだったらしいです)
・At Home

【休憩】

・稜線
・6がつのうた
・僕に宛てて
・頑張って歩け(バートン・クレーン)
・片思いのその前に
・いつだって眠れやしない
・Somebody to Love
・シロクマ大迷惑 (ここから、yumboの澁谷君とコラボ)
・ポワ・ポワン
・火星の庭
・歌う人
・崖の上

【アンコール】
・ジェンカ
・ヘブン

疲れていても、ちょっと和んで元気になる「ふちふなワールド」。今年も来てくれてありがとう!さらりとしているようで深い叙情を感じる純子さんの歌、今年の選曲は言葉の巧みさを感じました。そして、居るだけでほんわかの何とも言えない船戸さんの存在感、誰にも似ていないのよね。そして、コントラバスの音色は意外に饒舌っていうか、複雑で迫力ある表現力なのですよね。

また来年も「ヘブン」が聞きたいよ。待ってます!
…それから「池田さん」もよろしく!



2013年10月18日金曜日

盛岡散歩

せっかく盛岡まできたので、帰りしなちょっとぶらぶら。

 近くに車を停めて、盛岡城趾公園(岩手公園)を散歩しながら通り抜けて…。
あ、ヘンな噴水みっけ。水が1本だけぴゅ〜んと飛び上がっております。瀧の白糸の水芸みたいだなー。

居酒屋街のようなのですが、なぜ鳥居が…?
お向かいの桜山神社の参道なのでしょうか。堀で囲まれたこのあたりは「内丸」という地名です。

めざしてきたのはこのカフェ。「自家焙煎珈琲・六月の鹿」であります。

ほっと一息。これは六月の鹿のブレンド。
いまどき珍しくネルドリップで丁寧に抽出された珈琲です。
雑味のない香り高い珈琲を、大きな窓越しに堀内の風景を眺めながらいただきました。

虫六子のオーダーは、オーレグラッセ。
おもしろいグラスです。よく混ぜて飲んでください、と。

パリッと焼いてあるほかほか手作りのスコーンです。メープルシロップをたっぷりかけていただきました。

中津川のほとりを散歩。グローブみたいな雲を発見。
この後、材木町の光源社あたりにも足を運びましたが、今回は特に目を引く発見はなし。
帰るとS市ではお店が開いていないような時間になりそうだったので、盛岡駅でお弁当(お寿司)を買って、帰途につきました。これからは、また夜の高速道路をドキドキしながら帰るという…というプロットが待っているだけのはずでしたが…。とんだ番狂わせが!

最初は快調に流れていた高速でしたが、途中から「事故のため築館ー古川間18キロ渋滞」との標識が出始めました。
先日秋田に行ったときも事故で1車線通行止めで徐行になっていたので、そんな感じなのかなとイメージしつつ、いつ渋滞が来るのだろうと恐々としながら走っていましたら、築館ICで完全にストップ状態となりました。(これは待っていても動かなそうだな〜。世間の人はこういうとき、ツイッターとかで情報収集するのでしょうか??)
ちょうど止まった場所が築館ICの出口付近でしたので、そのまま4号線に下りたのですがやっぱり大渋滞。のろのろ運転が視界が及ぶ限り続いている…って感じです。
長い長い…、でも進んでいるだけいいか。
1時間半くらい渋滞から抜けられずに牛歩のごとく移動し、古川市内に入ったらスマートICのあたりですいすい進みだしたので、高速の渋滞もおさまったかなと古川ICから再び高速に乗ってみたら、やっぱり渋滞でしたが(泣)、…長者原SICから乗った人はきっとまだ列の後方だったでしょうね…大衡ICを過ぎたらなんとか高速らしく走れました。

盛岡を6時ごろ出発して自宅についたのは9時近くなっていて、休憩も入れられなかったので、疲労困憊でした。晩ごはん、買っておいて良かった〜〜〜。

2013年10月17日木曜日

岩手県立美術館「アントニオ・ロペス」展

三連休の最終日に家族の予定をあわせることができたので、久しぶりで遠出をすることにしました。今日の目的地は岩手県立美術館。虫六もチョー久しぶりで高速に乗るので(当家のドライバーは虫六のみ…)夕べから緊張、ガソリンを入れにいったついでにタイヤの空気圧など調整してもらって、ドキドキなのだ。

というわけで、なんとか高速道路を走る感覚を思い出しつつ盛岡ICまで無事到着。
盛岡といえば「冷麺」!ってことで、美術館に行く前にご贔屓の「ぴょんぴょん舎稲荷町本店」にて腹ごしらえ。虫六子が注文したのは「プルゴギ温麺」。冷麺って温かくてもOKなんですね。

こちらは秋限定メニューの「舞茸チヂミ」。舞茸の香りと歯ごたえがたまらん。

そして、やっぱり「盛岡冷麺」でしょ。岩手まで来た!って実感を冷麺で味わうのでした。それにしても、どうして冷麺の卵は固ゆでなんでしょうかね?

「ぴょんぴょん舎」は盛岡市内に何店舗かあるんですが、森林の中のロフト風の稲荷町本店がなんだか気にいっております。ワンちゃん連れのグループは野外デッキで食事を楽しんでおりました。

さあ、お腹もいっぱいになりましたので、いよいよ今日の本題!岩手県立美術館に到着。ここでは10月27日(日)まで「アントニオ・ロペス」展が開催中であります。

アントニオ・ロペスといえば、現代スペイン・リアリズムの巨匠として知られているアーティストですが(サッカー選手ではありませんぞ!)、日本では、「みつばちのささやき」や「エル・スール」で有名な映画監督ビクトル・エリセが、ドキュメンタリータッチの映画「マルメロの陽光」(1992年)を撮ったことで広く認知された作家です。

かくゆう虫六も、作品が紹介されるという機会には出くわしておらず、あの映画をみて作家を知り、以来、いつか実際の作品を観たい!と憧れ続けておりました。醸成させた憧憬の期間20年余り!どうしても見逃したくない今年唯一の展覧会であります。

展覧会では初期の美術学校時代の作品から近作まで、油彩・素描・彫刻の各ジャンルから代表作約65点が紹介されています。65点が多いか少ないかは意見が分かれるかも知れませんが、若い時分に描いた作品を10数年たったあとに再び筆を入れたり、作品を未完成なままにしたりという作家の特性に加え、ロペス自身が展覧会という形式をあまり好まないこと、また海外の個人所蔵作品が多いということで展覧会の開催はなかなか困難だったらしく、主催者や学芸員さんのご苦労が偲ばれますが、とにかく満を持しての開催にこぎ着けたということみたいです。

詳しくは、虫六が与太話を述べるまでもなく公式ホームページを見ていただきたいのですが…、例のマルメロの絵(そう、完成しなかったあの絵ですよ)も展示されていました。
特に印象に残った作品をメモしますと…、
《グラン・ピア》(1974年から81年にかけて夏の夜明けの時間帯6:30のマドリードの風景を通い詰めて描いた作品。夜のとばりが明けて薄暮が微かに色彩を映し出し、まだ人の気配がない風景。図録じゃ本物の微妙な空気感は伝わらないよ〜)
《マリアの肖像》(娘マリアを鉛筆だけで描いた実物大の素描)
《トイレと窓》(壁をみる視点と便器をみる視点が違うので画面上区分線を作っちゃった)
《バスルーム》(驚くことにこれも素描なのです、しかも実物大の…。人技とは思えない)

そして彫刻、《男と女》(制作期間1968-96年という難産の末(?)に完成した裸体の夫婦像、これが木彫なんだな。一度観たら忘れられない存在感です)

そして、会場で一番存在感を放っているのが、
《バリューカスの消防署の塔から観たマドリード》(1990-2006 油彩)素焼き壁の街並の空気感と光彩、精細な描写と大胆な省略(だって人の目はそう見えているから)、そして見た事のない構図!生々しい計った針跡。16年か…。作家にとって現実ってなんなんだろうな。

などなど、あげはじめたら切りがありませんね…。《眠る女》という奥さんをモデルにしたレリーフも印象に残ったです。あ、本当にきりがない。

「マルメロの陽光」でもそうでしたが、ロペスは、作品の中でけっして間に合わせの辻褄あわせをしないのです。これだけの描写力や創造力をもちながら、時のうつろいとともに変化しつづける目前の対象に向き合い続けて、破綻したり未完成になることを恐れずに制作に挑んでるところが、凡俗な芸術家じゃない本物だと伝わってきて、この作品に出会うことができた実感で幸福な気持ちに満たされます。そして、どの作品にも感じるものは「量感」です。人体や物体としての量感ももちろん、室内や街の空気感も、光も、量感として伝わってくる気がしました。

満身創痍に近いお疲れモードだったけど、観にいって大正解でした!


BUNKAMURAザ・ミュージアム(4/26〜6/16)を皮切りに、長崎県美術館(6/29〜8/25)と巡回してきた「アントニオ・ロペス」展、岩手県立美術館が最終会場です。展覧会が終わったら、作品はスペインに帰っちゃうよ!お見逃しなく!

2013年10月16日水曜日

松竹大谷図書館「【第2弾】歌舞伎や映画、大切な日本の文化を次世代に残す。」プロジェクト

演劇・映画専門の私立図書館である松竹大谷図書館が、オーマ株式会社が運営するクラウドファンディング(インターネットを利用した支援募集サイト) 「READYFOR?」を通じて、同図書館運営及び所蔵資料のデジタル化の資金調達を目的とした 「【第2弾】歌舞伎や映画、大切な日本の文化を次世代に残す。」プロジェクトを行っています。

大谷図書館の資料群(すみません、勝手に写真を引用させていただきました)
一般のみなさんから一口3,000円〜50,000円までの支援金を募り、大谷図書館が所蔵する歌舞伎や映画の台本や、『蒲田週報』(蒲田撮影所で、大正14年3月1日から昭和6年7月12日まで毎週発行されていた機関誌)などの紙もの資料の保存とデジタル化をすすめる上での資金を集めるプロジェクトです。

資料を大切に残すため、専門家の技術で慎重に解体し、デジタル化するそうです。外注するのに資金がいるということなのでしょう。
  …「紙資料修復工房」さんで、ガチガチにのりで固められた綴じの部分を本が痛まないよう、手作業で丁寧に解体していきます。状態によっては、一冊解体し終えるのに数十時間かかるそうです。その後、デジタルストレージサービスを展開している「寺田倉庫」さんで、解体して一号ずつの状態にした資料をデジタル化します。そして、画像から起こした複製を利用できるようにした上で、オリジナルはこれ以上破損が進まないよう処理を施した状態で保存していきたいと思っています。…(プロジェクトHPより)

歌舞伎台本には、十八代目中村勘三郎丈や十二代目市川團十郎丈、歌舞伎座の新開場を待たずして多くの人に惜しまれながら亡くなったお二人の最後の出演舞台の台本も大切に保存されているとか。どのくらい古い時代の資料が残っているのかな、興味しんしん。

一回きりでその場に居なければ経験を共有できないのがお芝居の宿命ですけれど、二次的な資料を後世に残すことはとても重要な意味があります。地道なお仕事ですが頑張って欲しいですし、いちど資料を拝見したいものですね。

そんなわけで、虫六も心ばかり一口乗りました。
このプロジェクトは 11月6日(水)午後11:00 の時点で、2,500,000円以上集まらないと成立しないらしいです、心ある歌舞伎支援者、松竹映画の支援者のみなさん、ぜひご協力を!!




2013年10月14日月曜日

抜け殻稽古

責任者が徹頭徹尾丸投げしてきた無茶ぶり仕事を、責任はないのに協力してくれたサイドスタッフのみなさんのおかげでなんとか12日に完了し(というかスタートなんですが)、抜け殻状態の虫六です。もうカラカラ…。

気がつけば、世の中は秋色…。
夏の間、「ういヤツ」と楽しんだオジギソウもなんだか葉を落としていました。…と思ったら、オジギソウって実をつけるんですね!!発見しちゃったよ〜。どれどれとカメラを向けたのですが、近すぎてピントあってないし。ちい。

今度はどうだ!この豆に毛が生えたみたいなやつ、実です。
いや〜、いつの間に。

いつの間に…といえば、なんとお浚い会まで2週間を切ってました。
忙しすぎて、練習不足でまだ暗譜が出来ていません。この時期に…大丈夫か俺。
そんなわけで、社中は特訓モードになっており、今日も朝9時から夕方までお稽古でした。
もう、ズタボロ。
打ち拉がれて、みなさんのお稽古を床の間に寄りかかって聴いていたら、…うひ〜、気が遠くなっていく〜。(そういえば、この3日ほど神経が疲れすぎてほとんど寝ていませんでした…)

お稽古せねばー。

2013年10月10日木曜日

今年はまったフルーツ「長野パープル」

秋ですね、フルーツが美味しい季節です。
メロゴールドにはまだ早いのですが、虫六家で最近大好評のフルーツ、それはズバリ!「長野パープル」って葡萄です。


大きさや色は「巨峰」みたいな感じですが、種はなく、なんと皮まで食べられるという品種。いちいち皮をむくのが面倒くさい…なんて、不埒なこという罰当たりな虫六家の某氏にもツボでした。プリッとした歯ごたえや、味も濃いめで美味しいです。
お値段は、700〜1000円とちっとお高めなのが玉に瑕なのですが、うちでは皮を剥かずに半分に切ってそのままサラダに加えるので、1房買うと3日楽しめます。
痛みも早くない気がするね。

近くの生協で買っているんですが、すぐに売れてしまうのか、最近入荷が減ってきたか、だんだん見かけなくなってきた。シーズン過ぎそうなのかな…、寂しいなー。


2013年10月8日火曜日

温泉地で巡業して欲しい!「鳴子温泉郷物語 タルタロスの足湯」

…喪服を着た中年男性3人がズボンの裾をまくって足湯に浸りながら、「お湯はいいよな〜」って…。もしかして、この場面が描きたかったのかなー。

以前のブログでもお知らせしましたが、わが慙愧丸プロジェクトの座頭作家でもあるクマガイコウキの新作「SENDAI座☆プロジェクト 鳴子温泉郷物語 タルタロスの足湯」が、“演劇と温泉でデトックス!俺たちは温泉だ!!” のキャッチコピーとともに公演中です!


震災後に建物が崩れて温泉だけが湧き出ている廃墟宿で、地元旅館の跡取り息子どうし3人(ひとりはこの廃墟の持ち主、市会議員をやってるので跡は継いでない)が四苦八苦しながら、なんとか地元をもり立てようと知恵をしぼっている。
フランス帰りの演出家と元人気女優を呼んで市民参加の演劇を作ろうって企画に、なぜかパンダの誘致話が入り交じって、なんだか話はヘンな方向へ…。

15年も惚けた母親の介護におわれながら、借金をしてハワイリゾート風の旅館に改装するも客足増えず経営難に苦しむ男。
山師みたいな市会議員。
旅館そのものよりもブログでカリスマになってる温泉原理主義の男。
人身事故の加害者になって表舞台から姿を消していた女優。
若い時に成功をしてフランスに渡り帰国するも鳴かず飛ばずで貧乏に窮している演出家。
震災の直前にまさに死のうとして首吊りを計っていたが、地震で自殺に失敗したという過去をもつ湯守男。
意味不明にテンションだけ高い若者たち。

別に地震が無くても、人生ぎりぎりとか、カツカツとか、だめでしょ?だった人ばかり。(俺のことかよ…ですよ)。そんな崖っぷちの人生を生きている人物たちが、温泉郷のお湯と出会い、癒され、生きる力を取り戻す。

そして、お芝居全体は笑いとペーソス。
ギリシャ神話、アキバネタ、ヤクザ映画、ハワイアン、ムード歌謡、奴隷デカ…。
温泉宿の演芸場のように、摩訶不思議な無国籍感。クマガイワールドだね。

そして、仙台の役者さんも実力あるなー。魅せますね。
ぜひ、温泉地の芝居小屋などを巡業公演して欲しいです。

それにしても、
温泉の泉質(「炭酸水素塩泉」とか、そういうの)っていうのは、お湯に塩胡椒入れてできるような単純なものではなくて、凄まじいエネルギーの塊であるマグマの熱によって、地中深く堆積した植物やなんかが溶けて化学変化をおこしてどろどろに混じったものが、何百年何千年の時を経て成分を内包し、やさしい穏やかなお湯となって湧き出てきたものなんだそうであります。
作家はいいます。
「人生も同じ、人生は過酷だ!」と。
そして、「両手からこぼれ落ちた哀しみも償いきれなかった過ちもいつか必ず穏やかになる、鳴子温泉郷のこのお湯のように」と。
…大人の芝居だよ。

そういえば、舞台中央に置かれた足湯の桶船…何だか棺桶みたいでね?棺桶に足を入れる図だよ…、と思ったのは私だけ?

エンディングの唄はCDになってます。500円。

公演は、このあと、
 鶴岡公演(10月12日) 東田川文化記念館 明治ホール
 尼崎公演(11月9日〜10日) ピッコロシアター
をまわるそうです。

鶴岡、尼崎方面のみなさん、ぜひ見に行ってください!

2013年10月6日日曜日

大友良英とあまちゃんビックバンド in 仙台

待ちに待った“大友良英とあまちゃんスペシャルビッグバンド”のライブ(10/4)がやってきました。
なにしろ虫六家はドラマがある日は1日に3回リピートしていた(8時のオンタイム、虫六子の晩ごはんタイムに録画1st、家人Tの晩ごはんタイムに録画2ndちう)コアなあまらーでしたので、あまロス期に入り、このライブをとても楽しみにしておりました。つまり、抜け駆けはゆるされず家族全員で出かけました。

会場は東北大学「萩ホール」。初めて入りましたが、客席の入り口がどこだかさっぱり分からず、階段を迷路のように行ったり来たりしてしまいました。他のお客さんもだいぶ迷っていたので、我らだけにあらず…と思うが。防災上どおなの?という疑問は今日のところは棚上げにしておきましょう。


すでに舞台には楽器が並んでおります。
うしょしょ、テンションが上がってきましたぞ〜。

我らの目の前に大友さんのギターがおいてありました。やったー、ここに来るのね。いい席をゲットしていたものです。それにしてもネックの脇あたりの塗装の剥がれ具合がど迫力で、“ノイズ系ミュージシャン大友良英”の存在感を感じて余りあるものがあります。



会場は、2階席までぎっしり!
なんていうか、メジャーバンドみたいですね。さすが、あまちゃん効果。
(ちなみに、「今日はドラマ出演者などの登壇はまちがってもありません…」と案内にはお断りがありました。それもある意味すごし。)

“あまちゃんビッグバンド”は、大友さんほか18名の大編成。古くからの大友さんの仲間と“チャンチキトルネエド”(*)という芸大出身の鍵盤+ブラス+チンドンパーカッションのオーケストラグループがドッキングした大編成バンドです。東ヨーロッパのクレズマー、ドイツのテクノPOP、豪華な伴奏付きの演歌、モダーンジャズ、ブラジル北部のラテンmusic、中国のパンク、パリのシャンソン、ラインが絡み合うバロックmusic…と、巧みな音の引きだしいっぱいで、あまちゃんのあの劇判は出来ていたのですね。

今日のプログラムは、こんな感じでした。(9割くらいはあっていると思います)

「あまちゃん オープニングテーマ」
   :言わずと知れたあのテーマ曲で幕開けでございます!

「行動のマーチ」
   :リコーダーが楽しい。スコアが欲しいと思いました。チューバって随分複雑な演奏が出来る楽器
    なんですね。魅力発見です。


「あまちゃんクレッツマー」
   :これはこのバンドの本領発揮でしたね。いやはや楽しい!次々とメンバーにソロを回して、
    渋さ知らズを彷彿したけど、渋さよりも若くて爽やか(笑)。この後味の良さはどうして
    でしょうね。どっちも好きですが。

「銀幕のスター」
   :しゃぼん玉ホリデーのような(って言ってたかな?)古き良き時代の芸能界のゴージャス感が
    テーマらしいです。CDではアコーディオンですが、今日はトランペットが聞かせました。
    秀徳君、虫六子のハートをキャッチか?


(ゲスト:マダムギター長見順)

「琥珀色のブルース」
   :長見さん、ダンサーみたいな濃ゆい舞台衣装で登場。そしてブルースギターで泣かせる音色。
    すんげ〜、カッコ良かった。


「奈落デキシー」(「暦の上ではディセンバー」のインストアレンジ曲)
   :あのアメ女のヒット曲が良い感じのインストに…。ドラマを思い出します。

「アキのテーマ」
   :S市出身の斎藤寛君(←浅野忠信似)のフルートが聴かせてくれました。

「芸能界」
   :太巻のテーマ…パーカッションが不穏な空気を表現。

「アイドル狂想曲」
   :おたくシーンに使われた曲。ピッコロが大ブレイクで面白すぎ…。

「軋轢と友情」
   :どうしても東京に行けないユイちゃんのイライラに当てられたノイズ・ミュージック「軋轢」で、
    これは大友さんの本業(?)のカッコ良さが炸裂。傷だらけのギターの意味がわかりました。
    この曲だけの演奏だと不穏すぎるということで、アキちゃんとの「友情」をミックスして、

    この日のタイトルは「軋轢と友情」。なんちうか、これ相当名曲でないスか?
    しかし、生涯でたった一度のノイズ・ミュージックをこの日のライブで浴びてしまった人も

    少なくなかったのでは(笑)。

「希求」
   :東京に行くはずが、お父さんが突然倒れて行けなくなったユイと、電車に乗ったアキが別れる
    シーン。大友さんもこのシーンを見るたびに泣いてしまうとのことでしたが、この曲が入ると
    ほんとに泣けてくるんだよ〜。
    メロディは、ラブジョイの近藤達郎さんが情感豊かなハーモニカを聴かせてくれました。
    大好きです。

「灯台」
   :春子のテーマなのに、最後は大吉のシーンにもつけられていたという…。

「地元でサンバ」
   :「地元に帰ろう」にこめられたクドカン脚本についての大友さんの解説(?)も深かった。

「海」
   :震災のあとで港には毛糸玉みたいになった鉄骨のほか、建物らしいものは何も無くなって
    いたのに、海は水平線の向こうまでただ穏やかだった、陽の照り返しが波に揺られて
    キラキラしてた…
    あの風景を思い出さずにいられない。


「TIME」
   :三代アイドルの天野家の夏、春子、アキのテーマだそうです。

(アンコール)
「潮騒のメモリー」(ボーカル:長見順)
   :まさかボーカル付きのこの曲が聴けると思いませんでしたが、長見さんのボーカルも最高でした!
    途中で挿入された「楽天応援した〜」の替え歌もナイス!


「あまちゃん オープニングテーマ」
   :〆にもう1回。でもまたアレンジ違っていたよ。これだからジャズバンドは楽しいね。


ドラマの劇判なのでショートな楽曲が多く、つぎつぎに耳に馴染みのある曲が登場する感じ、でも1曲1曲の演奏がとても出来が良く生で聞くと一層魅力的で、あっという間のライブでした。3000円のチケット代でおつりが来る(!)満足度でした。

ありがとう!大友さん、ありがとう!あまちゃんビックバンド。

ドラマも面白かったけど、やっぱり劇判がそうとう良かったです。毎日元気をいただいていましたよ。


…チャンスがあれば聞いてみたいところでしたが、やっぱり「大晦日はスケジュール空けといて」とか言われてるんですか?


【おまけ】
10/5の朝日デジタルにクドカンのロングインタビューが載っていました。これもタイムリーだったね。

(*)「チャンチキトルネエド」は現在無期限活動休止中とのことです。…でもメンバーのほとんどが “あまちゃんビックバンド”のようですが。


2013年10月4日金曜日

文楽地方公演2013

こんばんわ、あまロスする心の余裕もなく過酷労働中の虫六です。
10月1日は今年度の文楽地方巡業のS市公演日でありました。



人形浄瑠璃・文楽
平成25年10月文楽地方公演

竹本義太夫三百回忌・公益財団法人文楽協会創立五十周年記念

◆昼の部
生写朝顔話(しょううつしあさがおばなし)
 明石船別れの段
 笑い薬の段
 宿屋の段
 大井川の段

◆夜の部
花競四季寿(はなくらべしきのことぶき)
 万歳 鷺娘

ひらかな盛衰記(ひらかなせいすいき)
 松右衛門内の段 逆櫓の段

夜の部ではロビーで、「生写朝顔話」の深雪ちゃんがお出迎え。
お客さん黒山で、写真大会でした。そういう虫六もまじまじと。

今回は、義太夫、三味線、人形…といつもの主要メンバーが3人くらいづついらっしゃらず、なんで?と不思議に思いました。
住大夫さん、源太夫さん、清治さん、蓑助さん…あたりですと、地方公演は諦めもつきますが、いつも楽しみにしている嶋太夫さん、呂勢大夫さんをはじめ、錦糸さん、清介さん、藤蔵さん、文雀さん、勘十郎さん、一輔さんも…おりませんぞ。なぜなぜ?

そのぶん、若手のお仕事がたっぷり見れて良かったということもありますが…。

その筋から伺ったところ、主要メンバーの大部分は、杉本文楽の公演でいまヨーロッパ巡業中とのことでした。あ、なーんだ。
まぁ、ヨーロッパ公演で技芸員のみなさんの経験値があがって、芸の肥やしになるなら、今年の地方巡業は目をつぶってあげましょう。
(ところで、チケット20000円の高級志向の杉本文楽は見なくてもいいのですが、三谷文楽をぜひ地方公演して欲しいです。)

そして、留守を守って巡業してくださっている咲大夫さんご一門ほか、巡業チームのみなさん、ご苦労様です。今回も見応え十分でいい舞台を拝見させていただきました。
また来年もきてください。まってます!


2013年10月2日水曜日

9月に読んだ本

2013年9月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:1682ページ
ナイス数:33ナイス

陰陽師 玉手匣 3 (ジェッツコミックス)陰陽師 玉手匣 3 (ジェッツコミックス)感想
正直言って、このシリーズは本編に及ばないなあと、思っていました。何やら説明や伏線が長くて、読みにくいなーと。読者(いえ、私だけかもしれませんが)置いていかれている感じで…。で、ここ3巻になって、やっというか、なかなか面白くなってきました。つづきが気になっております。
読了日:9月26日 著者:岡野玲子


染五郎の超訳的歌舞伎染五郎の超訳的歌舞伎感想
帯に「妄想好きな染五郎厳選」とあったのでどんな“超訳”?!と妄想が膨らんだが、とても真面目で真摯な内容だった。役者ってこんなこと考えながら日々演じているんだ。単なる楽屋落ちではなく、一つ一つの戯作に対する思い入れや秘めたる挑戦など、舞台に立つ者だからこそ語ることのできる芝居の面白さが紹介されていて、読みやすいけど中級書以上。30代染五郎の「傾奇おどり」舞踊公演を見逃していたのは悔しい。アプローチが「ヘンな日本美術史」(山口晃)を思い出した。巻末の染高麗と猿之助の対談はなかなか気持ちが良い。次世代はOKだ。
読了日:9月24日 著者:市川染五郎

評伝 ナンシー関 「心に一人のナンシーを」評伝 ナンシー関 「心に一人のナンシーを」感想
いまの世の中にはナンシーが欠けている。ナンシーが恋しい…と改めて思いました。10年も経つんですね。もし、いま生きていたら、ツイッターとかしていたのかな?ハンパないフォロアー数とか抱えたでしょうかね?そんな発信のしかたをするナンシー関というのもイメージしにくいけれども。
読了日:9月15日 著者:横田増生



ちはやふる(22) (Be・Loveコミックス)ちはやふる(22) (Be・Loveコミックス)感想
原田先生の若い頃からの勝ちにこだわる戦法が語られていて面白かった。新の挽回に期待だが…。それにしても30代の綿谷名人はカッコ良すぎでしょう。今回いちばんの萌えコマでした。そして、周防名人の…「嫁」発言…恋の波紋でしょうか。
読了日:9月15日 著者:末次由紀




そよそよ。 1 (愛蔵版コミックス)そよそよ。 1 (愛蔵版コミックス)感想
二巻目が出たので復習読み。
読了日:9月3日 著者:朝倉世界一







そよそよ。 2 (愛蔵版コミックス)そよそよ。 2 (愛蔵版コミックス)感想
「そよそよ」は表紙で買い(!)ってところがあるんですよね。木下家400年の悲願っていうのが妄想全開で途方もないのであるよ。鬼灯君は徳川方の忍者だったんだね。吹き矢の先生も重要人物でした。随所にくすっとほころぶ要素が散りばめられていますが、一番ストライクだったのは、失恋した菊田さんが一晩泣きはらして、瞼がぱんぱんになった絵です。かわいすぎる…。意外にも2巻目で完結、楽しみがまた終わってしまった。
読了日:9月3日 著者:朝倉世界一


ぼおるぺん古事記 三: 海の巻ぼおるぺん古事記 三: 海の巻感想
「姫神の来歴」を読んだので、復習。
読了日:9月1日 著者:こうの史代







ぼおるぺん古事記 (二): 地の巻ぼおるぺん古事記 (二): 地の巻感想
「姫神の来歴」を読んだので、復習。
読了日:9月1日 著者:こうの史代







ぼおるぺん古事記 (一)天の巻ぼおるぺん古事記 (一)天の巻感想
「姫神の来歴」を読んだので、古事記を復習しておこうと思い読みました。それで面白かったのは、記紀神話では同一の神にいろいろな名前がつけられるらしいのですが、名前1人に1人に形象が与えられてしまうと、そういう複雑な構造が見えなくなるんですね。でも、これはこれで古事記世界の漫画化なので面白いのですが。それもそうだが、やっぱり絵がうまいなぁ。
読了日:9月1日 著者:こうの史代

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