2014年9月25日木曜日

根緒は1本の組み紐でできている

お三味線の胴の先っぽに三本の糸の先を結わえておく奇麗な色の紐の団子がありますが、これを「根緒」といいます。
どこかっていうと、この…赤いやつですね。

これが、先日の合同練習の時に「根緒は一本の組み紐でできているから、3つの糸がきっちり決まった位置で止まっていないと、バランスが崩れて、当然、音にもひずみがでる」というお話を聞いて、説得力あるなーと感心するやら、これまで「止まってれば良い」くらいの調子でいた自分の未熟さを思い知ったわけなんですが…。
(えっ?1本なの?)というのも気になり、さっそく古い根緒で本当かどうか調べてみることにしました。

虫六「いよいよ、オペ開始だね」
丑王丸「ほどいてしまって大丈夫でありましょうか?」
猪九郎「これ、3の糸のとこだけボロボロになってるよ」
虫六「いやー、これは最初にお三味線についていた根緒なんで、元の持ち主の練習のあとですなー。根緒が切れるくらい練習しないとうまくならないんだね…」

最初の結び目…、四ツ巴に組んだ先っぽがグイッとねじ入れてあったので、引き抜いてみました。

ぐるっと開いて…、けっこう固く組んである紐ですな。

裏返し。こんな風に3つに分けられています。
…っていうか、すでに知恵の輪状態。

ばらばら。
虫六「あー、もう復元は不可能なり…」

ほよ〜、本当だ!1本になった。
けっこう長いね。


【今日の蘊蓄】
根緒(ねお):根緒とは、糸巻きとは反対の糸の端をそれぞれに結びつけて使う、三味線下部の中木先に懸ける「一本の組み紐をねじって三つにしたもの」
 参考:和楽器教本「三味線」/GC教育研究会/2006

ちなみに、根緒が入っている箱には「御音緒」と書いてあって、商標かもしれませんが、この言い方は綺麗だな…と思った次第。

2014年9月21日日曜日

デイジーとランティ、あるいは、豆大福とガトーショコラ

お三味線の姉弟子Cさんのお家には、元気でかわいいワンちゃんが2匹同居しているのですが、先日ホームパティーに呼んでいただき、いっぱい遊んでもらったので(主に虫六子が)激写して参りました。

この日のメインディッシュは、なんと高級肉の豚しゃぶ!常夜鍋風に小松菜といっしょにシークァーサー塩ポン酢でいただきました。旨っ!!姉弟子Cさんはちょうど沖縄帰りだったので、メニューはなんとなく島んちゅぬ味付け。このほかにも、激旨メニューが天こ盛りだったのですが、虫六子カメラはワンちゃんの撮影に忙しく美味しい料理を取り損ねてしまいました。(母は酒が入ったのではじめから撮影放棄…)

そんなわけで、本日のわんこ。
この豆大福のようなダルメシアンは、おねいさんのデイジー(メス・9才)。
盛り上がるニンゲンどもを尻目に、特等席で丸くなっておりました。風格があるねー。

こちらの黒ビロードのような、ガトーショコラのような真っ黒いのおちびちゃん(すでにそうでもないけど…)が、ラブラドールのランティ(オス・1才半)です。

まだ表情はどこかあどけなく…。

こちらは美人系…。

遊び過ぎて少しお疲れか〜。
いやー、なかなか大きいよ。さすがにラブラドールは…。

誰か、遊んでよ〜。
お、目は白いところがあるんだね…。

すみません、デザートだけは撮りました。
沖縄風クリームぜんざい。あずきが甘め控えめで美味しかったです。

ご馳走さまでした〜。
お浚い会、がんばりましょう!!

2014年9月18日木曜日

お三味線、和楽器やさん送り

なんですかね。
やっとお稽古にもエンジンが掛かった2日目の朝、例によって破けてしまいましたよぅ、皮が…。


そして、張り替えのため和楽器やさん送りです。
去年もこんなパターンだったような…。
お三味線の神様は、私に練習をさせたいの?させたくないの?…とか、毒づいている場合ではありません。

先生に電話して、仕事帰りに練習用のお三味線を借りにいきました。
そしたら、ちょっと練習していけって大薩摩を見ていただきました。災い転じて福となす…ってやつですね。へへへ。

それにしても、やっぱりもう一挺欲しいかなー。お三味線貯金開始かなー。

2014年9月15日月曜日

合同稽古はじまる…

11月の松の会まであと一月半。
S市内のH瀬川河畔の某市民センターに、集められた我が一門…。


虫六「先生、今年は少し早めにエンジンかけようって作戦なんだな。」
牛王丸「第1回の合同稽古が始まりましたな。」
虫六「なにしろ、去年はおいらなんか譜が覚えきれずに、不本意ながら見ちゃったもんね、赤譜…」
牛王丸「それで、今年の守備は…?」
虫六「げろ〜、嫌なこと聞くねぇ。ずっと仕事が忙しくて、脳みそのメモリがそっちにまで回んないんだよ〜。なんとかお稽古の時間作って、脳みそ経由でなく曲を体に沁み込ませないと本番に立てないのよ。」
牛王丸「うぬ、このたびお稽古中の曲はたしか『鞍馬山』。牛若丸の曲ですな。私の世界は『義経千本桜』ではありませんが、義経殿はお仲間…、応援しておりますぞ。やや、姉弟子の皆さんはもう譜を見ておりませんぞ。」
虫六「うひ〜、これはまずい、練習量が…。この連休は仕事を忘れて、お三味線の自主トレせねばー!」


2014年9月11日木曜日

長野から木曽福島へ(2)_興禅寺で重森三玲の庭と出会う

そんなわけで、木曽福島駅に着きました。

なんだかでっかい立派な駅舎です。木曽福島は、京都へ67里、江戸へ69里の中山道69次目の福島宿なのだそうです。

 駅向かいにお土産屋さんや食堂なんかといっしょに観光案内センターがあったので、地図を貰おうと入ってみました。なにしろ、「目的は興禅寺」と言うこと以外、この土地についてなんの予備知識もないまま来てしまったのです。どのくらいの大きさの町なのか、なにか観光はあるのか??

で、観光センターで地図を貰うついでにいろいろ聞いてみましたら、とても親切に教えてくださいました。「まずはバスで興禅寺まで行き、帰りを徒歩で散歩しながらこことここに観光スポットがあるよ」と地図に書き込んで、「正味2時間くらいで帰って来れますよ」とのアドバイス。そして、今朝ホテルから貰ってきた傘を置いて行っていいかとお願いすると、気持ち良く預かってくれたりして、親切この上なし!木曽福島に行ったら、駅前の観光センターで情報蒐集しましょう。

さて、教えていただいた路線バスで直行したのは木曽三大名刹のひとつに数えられるという「萬松山 興禅寺」。名前のとおり禅宗の寺院で臨済宗妙心寺派、永享6年(1434年)、木曽家12代信道公が祖先義仲公の菩提のために荒廃していた古いお寺を改築したものだそうです。

こちらが木曾義仲のお墓…、柵の奥の暗くなっているところ。樹齢300年を越えるという木曽檜など太い樹木に守られるように、苔むして墓石がありました。

義仲公お手植えの時雨桜の、2代目(!)…だそうです。たしかに大きくて老木って感じですが、いったい樹齢いくつなんだ?4月20日ごろが花の見頃だそうですが、こんだけデカイんだからみごとでしょうね。

そして、なぜ虫六がここまで来たかというと、このお庭を見るためでありました。
現代作庭界の巨匠・重森三玲が作庭した枯山水「看雲庭」であります。なんでも日本一広い石庭だそうです。

石は紀州沖の島産の青石(力泥片岩)、砂紋は京都比叡山山麓の白川砂で構成されており、この白くみえる曲線のアクセントはなんと(!)白セメントです。
白砂の地模様が表現しているものは「水」ではなく「雲」。看雲庭は、信州にあるお寺ということで、雲海の上に突き出ている(浮かぶ)山岳を表現しているのです。

砂紋(雲紋)は雲海の雲の流動を抽象的に構成していて、世界のどこにも例のない独創的な試みだそうです。石の配置は有機的で、中央の小さい石をポイントに左に7石、右に5石、左向こうに3石を、追う石、逃げる石、更に受け止める石として緊張感のある空間を構成しています。
一般的な枯山水が、川の向こう、海の向こうに、無限の世界をユリイカするとしたら、木曽の枯山水は天空に無限を見るんですね。やっぱり標高が高い土地はスケールが違います。

しばし、お庭を眺めながら露台でぼんやりしていたら、持ち時間の半分を使っておりました。あ、興禅寺にはこのほか重森の作ではありませんが「弥勒山の庭」「昇龍の庭」「万松庭」という3つのお庭があります。

慌てて、地図を片手に歩き出しました。あ、古そうで立派なお家ですね。

木曽川!迫力ありますね。マイナスイオンに年季が入っております。

福島宿は日本四大関所の一つ。関所は、木曽川を真近かに見下ろす高台にあり、創設以来約270年間、中山道の要衝として入鉄砲、出女等を厳しく取り締まっていたそうです。こんな狭い石段を一人づつ登って関所を通ったのだ。

石段を登ると、復元された関所が往時の姿をみせています。中に入りたかったけど、時間がないので、涙をのんで今回はパスです。

 この階段は、地図によると…初恋の小径…かな。

 うお、これは昭和の臭いがするコンクリの立派な橋だ。

 山村代官屋敷…。ここも前だけにしておきましょう。残念ですが。

 なんとも幸せになれそうな名前の蔵元みっけ。木曽の地酒「七笑酒造」。いろいろ魅力的なお酒がありましたが、実は昨日のうちに長野東急の酒屋さんからお土産のお酒は送っていた(「七笑」も含む)ので、ここではサイフの紐は締めときました。へへ。

うぬ!!誰ですか、この方は?!
お店のご主人に聞いて見たんですが「誰だか、すごい有名な人らしいんですけど…。よく知らなくて、スミマセン」って。(え〜、知らないのか〜)
先代の猿之助(現・猿翁)のようにも見えるけれど、もっと昔の役者かナー?気になる、気になる。

木曽川を眺めながら足湯にも浸かれます。
時間が無い上に先客がいたので、今回はパス!

 上の段地区は、中山道の古い街並みの名残を残しています。

 木曽福島駅は高台にあるので坂を上りながら戻ります。見下ろす木曽の集落。
猿まわしが似合いそうな…。

 駅に着いたら予定の列車の時間まで30分ほどあった(焦って損したか?)ので、そういえばお昼を食べていないことを思い出し、名物の五平餅をいただいてみました。甘辛くて胡桃風味のたれで美味しい。暑かったのでアイスコーヒーは一気飲みしてしまいました。

駅からD51の静態保存が見えました…が、子供たちが運転席に乗りこみ自由に振る舞って遊んでおりました。すごいなー。

帰りは特急「しなの」でまっすぐ帰る予定…。

だったのですが、姨捨の夜景に未練…、夜景じゃなくても夕方くらいにはさしかかるんじゃないかと、松本駅で特急をおり、普通列車に乗り換えました。(ぎりぎり予定の新幹線に間に合う計算)

…といえ、この季節、4時ではまだまだ昼間なんですよ…。普通なので1分立たないうちに出発!しかも、松本—長野間はけっこう乗客がいて、ロングシートの無理な体勢から撮影。

っていうかですね、この日、ほぼ満月だったんですよね。
「観月の名勝」のまさに千載一遇のチャンスを逃したのか、俺。帰りの長野新幹線の車窓から、おっきい月を眺めながめつつ、姨捨の夜景リベンジを誓う虫六でした。

2014年9月10日水曜日

長野から木曽福島へ(1)_快速リゾートビューで姨捨駅に下車

せっかく長野まできたのだから…と、虫六にはついで参りしたい目的地がありました。
それは、木曽福島。
でも、その日のうちにS市まで帰らなければなりません。どんな交通手段があるのか検討していたら、テツ道のご指南役・へっちさんから、「松本ー長野間に姨捨駅があって、ここはスイッチバックです。さらに篠ノ井ー姨捨間は日本三大車窓になってます」との、鋭すぎるアドバイスが…。
特急で往復する計画を急遽変更して、朝9:04発の「リゾートビューふるさと」というリゾート快速に乗って松本までいき、その先は特急「しなの」に乗り換えることにしました。

 「リゾートビューふるさと」、HB-E300系。ディーゼルエンジンとリチウムイオン蓄電池を組み合わせ、駆動力に電気モーターを使用したハイブリッドシステムを搭載した車両です。2両編成で運行しています。


HB-E300系といえば、秋田の五能線を走っている「リゾートしらかみ」の青池号と同じですね。

 客室は豪華なリクライニングシートで、とにかく広い。小柄な虫六は足下のスペースがあまってしまいました。大きな窓も、車窓の風景を楽しむに最適です。日曜日でしたが、もうシーズンが終わったのか、けっこう空いていました。快速なので、これで長野から松本まで乗車券に加算される料金は指定券の520円のみ。

願わくば、この窓は綺麗にしておいて欲しかった…。昨夜は雨でしたので、しょうがありませんが。



どんどん緑が深くなって行って、どんどん山が高くなってきました。こういうの「山懐に抱かれる風景」っていうんだなーなんて、

我ながらテンション上げまくりでカメラをオフにする間もなく過ごしておりましたら、ほどなく姨捨駅に到着。うわぁー、バックしている!スイッチバック体験中の図であります。自ら乗車しているので線路しか撮れません…あしからず。

そうなのです、このところ天候不順で、今日も雨予報…。ホテルでビニール傘を貰って乗り込んだのですが、 なんと姨捨駅は快晴でありました!!!!!
ちなみに、駅標識もスイッチバックです。

この列車は姨捨駅に15分停車します。

 駅のホームが展望台になっていて、善光寺平が見渡せるのです。
この盆地は鎌倉時代以降、しぱしば合戦の舞台となった土地だそうで、武田信玄と上杉謙信が戦った「川中島の戦い」もあのあたりで繰り広げられたとか。姨捨は「観月の名勝」としても有名で、夜景がまた絶景だそうです。ココまで来てそれを見ないで帰るなんて悔しい限りですが、機会があれば棚田のビューポイントにも足を運びたいなー。

それにしても、日本はこんな所にとんだ“宝石”を隠していたものです。

15分はけっこう有意義にすごせる長さで、写真撮影はもちろんのこと、向こうの駅舎にわたって記念入場券を買ったり、山ガールのコスチュームの車掌さんと記念撮影したり、乗客の皆さんはいろいろ楽しんでおりました。

松本駅に着く手前には、梓川と奈良井川(と言ったと思う)の合流地点があり、ここでも列車はサービスでスピードを落としてくれます。

松本駅について、名残惜しくもリゾートビューふるさとを降りました。列車はこのあと、穂高、信濃方面にむかい、白馬、南小谷までいきます。いってらっしゃい。

松本駅から、名古屋行きの特急しなのに乗り換え。
「まつもとぉ〜、まつもとぉ〜」っていう駅の案内放送が、なんだか懐かしいイントネーション。そして、なんだ?この「0番線」って。

なんだかんだで、特急に乗ったらあっという間に「木曽福島」駅に着きました。
山中の駅です…。続きは明日!