2016年4月18日月曜日

マーカー・スターリング JapanTour 2016 in 火星の庭

久しぶりに火星の庭にライブを聴きにいきました。(以下、今日の日記は家人Tことタイコウチ筆)


カナダ在住のシンガーソングライター、マーカー・スターリングこと、クリス・A・カミングスさん。サポートアクトは、yumboの澁谷さん(プラスyumboから2名)。

マーカー・スターリングさんの音楽は、CDでは基本的に本人が弾くキーボードやピアノと歌に、ドラムやストリングスなど若干の楽器が加わるというものですが、この日は、曲によってリズムボックスを使用したピアノの弾き語りでした。

60年代から70年代のポップスやソウル・ミュージック、ブラジリアン・ミュージックなどに影響を受けた歌ものというと、ちょっとゆるい感じかと思うかもしれませんが、メロディとコード感がとても洗練されていることに加え(このあたり澁谷さんと共通してますね)、ライブではピアノのタッチが素晴らしくクリアで、ゆったりした曲でもくっきりしたリズム感がくずれないので、基本はソフト&メロウなんだけど、いい意味で美しい緊張感があり、現代的です。

そして何よりもあの歌声。ちょっとハスキーだけれど、透明感のある高音。ロバート・ワイアットにたとえられることもあるようですが、もうちょっと親しみやすい世俗感があるかな。そんなに高級じゃないけど、ちょっと雰囲気のいいクラブで、なぜか妙に洗練されたピアノの弾き語りを聴いているような、ノスタルジックで心地よい場末感(笑)。「Husbands」という、カサヴェテスの映画をネタにした曲もありましたが、そう、ピーター・フォークがふらりと出てくるような映画の雰囲気があります。

古き良きソウル・ミュージックなどが参照されているせいか、初期のトッド・ラングレンやスタイル・カウンシルなんかをふと思い出したり。でも、ソフトロック的な面では、ヴォーカルの雰囲気も含めて、実はシカゴの兄弟バンド、アルミナム・グループにいちばん近いものを個人的には感じています。

会場の火星の庭に入る手前の歩道の角の暗がりに腰掛けて、ひとりサンドウィッチのようなものをもそもそと食べていたジャンパーを着た外国人のおじさんが、実はクリス・カミングスさんだったのですが、本番では牧師さんのような黒いスーツ(?)という勝負服に着替えてこられて、さすがポップスター!と妙なところでも感心させられました。


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