2018年1月21日日曜日

チンチリレンでお弾き初め

虫六、今年のお三味線初稽古は15日(月)でした。

じつは正月13日(日)に一門の新年会があり、その席で、兄弟子Kさんが今度挑戦する『二人椀久』がシネマ歌舞伎ではじまったと言う話になり、先生が「明日見に行こう」という流れから、虫六がチケットをネット予約することになり、姉弟子Nさんともども映画を観にいくことになり…(一門のツアコン係なんで)で、すっかりはまってしまったのが、玉三郎丈の『京鹿子娘道成寺』。

映画は、玉三郎丈が若手4人(勘九郎・七之助・梅枝・児太郎)をひっぱっての『京鹿子五人娘道成寺』なんですけども。舞台映像としても記録価値あるものですが、それぞれが踊るパートの合間にインタビューが挿入されて、とっても見応えのあるドキュメンタリー映画になっていました。正直、この演目が歌舞伎座でかかった時は「五人ってどおよ?」なんて不遜にも思って食指が働きませんでしたが、こんなに華やかで面白い舞台だったなら見に行けば良かったなーなんて今さら思ってしまった。

前週末にNHK「にっぽんの芸能」で玉三郎の女形を解説していくシリーズが始まり、タイアップしたように『京鹿子娘道成寺』を取り上げていたので、ちょっと予習していたこともあり、この曲がいかに奥深く面白い作品か、また難しさもわかり興味は満タン。その玉三郎の深い解釈のもとに、花子が一人にも五人にも見える演出ができたんだなと、映画の途中でなんども「うーん」って唸ってしまいましたよ。

また、玉三郎がご自身の芸を伝えていく最良の方法として「同じ舞台に立つこと」を選んだことの良い意味での合理性。どんなときでも頭が涼しい方だなと感じます。そして、それぞれの経験する質や掴み方は違うのかもしれないけれど、共演した若手全員が千秋楽が来るのを惜しんでいた濃密な時間が、フィルムに映し出されていました。



映画では、役者がいったん引っ込んで、舞台裏で汗を拭いてもらったりして拵えを変えている珍しい様子が収められていましたが、このとき表舞台では、地方の皆さんが「娘道成寺の合方」(チンチリレンと呼ばれます)という早弾きの演奏で間を持たせます。お三味線好きとしては、ここが聞き逃せないところなのです。特に玉三郎丈の踊りには杵屋勝国師匠が立て三味線の楽団がほぼ必ず付きますので、楽しみ2倍ですね。

…で、みんなで「はぁあ」と満足してこの日は帰ったわけなんですが、これは翌日の初稽古はチンチリレンがくるな…と予測できたので、ちょっと復習して備えましたら、案の定でしたね。

ン年前にお稽古つけていただいたのでしたが、なにしろ久々だったので、いろいろ手が動かず…日頃の練習不足は実感しつつ、それでも昨日練習しておいて良かった。(汗)
お稽古初日から、「チンチリレン」の鬼稽古でしたー(@Д@;

今年もがんばるぞー。


ちなみに…
同時上映『二人椀久』は解説なしの舞台映像。
三味線だけでも演奏される名曲ですが、玉三郎丈の踊りになると「お茶の口切り」からのところ別の世界の扉を開けてもらうようでゾクゾクしました。そしてこちらの演奏ももちろん杵勝楽団です!

2018年1月7日日曜日

12月に読んだ本

12月の読書メーター
読んだ本の数:2
読んだページ数:368
ナイス数:9

舞うひと 草刈民代×古典芸能のトップランナーたち舞うひと 草刈民代×古典芸能のトップランナーたち感想
雑誌「なごみ」で連載された対談が単行本に。各分量は少なめですが(実際はもっと合ったのかもと想像)どの対談も良くまとまっていて面白かった。バレリーナという立ち位置から日本の「舞う」伝統芸能に切り込む草刈民代と言う聞き手の感度や理解の深さが感じられた。日本文化が相対化されたこともあるけれど、小さい頃から成長過程を身体を作り技を磨くことに費やして来た経験を共有してこそのやり取りだった。萬斎との声をめぐる話、猿之助の「ワンピース」における洋舞への翻訳の話、麿赤兒とも!そして、写真がきれい…さすがは淡交社…。
読了日:12月29日 著者:草刈 民代

国立劇場・歌舞伎の型1 仮名手本忠臣蔵国立劇場・歌舞伎の型1 仮名手本忠臣蔵感想
国立劇場芸能調査室編で昭和47〜8年に発行された(13)仁左衛門芸談を底本に復刊された本。全てが理解できるわけではないけれど、役者がどのように型の継承を受け止めて、役に生かしているのかが分かり読み応えがありました。囃子方(11)田中傳右衛門の芸談も決まり事が分かって非常に興味深く下座のCDで確認しながら拝読。この頃、国立劇場は他にも(7)芝翫や(14)勘弥などの芸談も出版しているけど絶版状態。仁左衛門の本だけが復刊できたというのも事情ありかなと推察するんですが、他の芸談も続けて出して欲しいです。
読了日:12月24日 著者:

読書メーター

いろいろまとめる時間がとれず…。とりあえず2冊あげときます。(汗)

2018年1月1日月曜日

明けましておめでとうございます。平成30年

新年明けましておめでとうございます。

近頃サボりがちなブログではございますが、
気が長いのだけが取り柄なので、
ぼちぼち書いて参ります。

今年もよろしくお願いします。


平成30年1月1日